イオンは2014年9月24日、傘下のスーパー「ダイエー」を2015年1月に完全子会社化すると発表した。総合スーパー「ダイエー」の名称を廃止し、イオングループの新ブランドに集約する。
戦後の混乱がまだ続く1950年代後半、小さなドラッグ・ストアからスタートし、価格破壊をスローガンに小売店ビジネスに革命を起こしてきた「ダイエー」は名実ともに消滅する。
ダイエーは既存店の売上げ不振が続いており、2期連続の営業赤字となっている。イオンの岡田元也社長は「ダイエーの成長は待ったなしの状況」と述べ、完全子会社化で業績の回復を急ぐ方針を明らかにした。
ただ、イオン・グループ全体で見た場合には、ダイエーの再建というよりも、スーパー事業全体の再編という意味合いが強い。
大規模小売店は、ある一定の規模以上になると、メーカーからの仕入れ価格はほぼ一定水準に収束してくる。イオン全体で見てもダイエー単体で見ても、仕入れ価格は売値の約7割となっており、基本的な収益力に大差はない。最終的な利益を分けるのは、不動産収入や各種のロイヤリティなど、本業以外の売上げと経費である。
つまりイオン全体で考えれば、地域や客層ごとに、店舗を整理し、コストを最小限にしていく必要がある。そのためには、各ブランドが別々に営業していては効率が悪い。本体に集約し、ブランドを統一することには、そういった狙いがある。
もともとイオンは、多くの小売店を買収して大きくなった企業であり、買収先の整理・統合は以前からの課題である。今回のダイエー子会社化もその延長線上に位置している。
日本は人口の減少からスーパー事業は縮小を余儀なくされつつある。今後、同社は長期にわたる事業の再編に追われることになるかもしれない。
イオンもダイエーも、米国型の超大型店舗による安値販売を日本でも実現したいという野心を持ち規模を拡大してきた事業者である。だが、日本では、小規模な商店を保護するための規制(大規模小売店舗法)によって思うように事業の展開ができなかった。
こうした状況を逆手にとり、コンビニという業態を普及させ、消費者には値引きなしの高い価格で販売する戦略を進めてきたセブン&アイ・ホールディングスの業績が好調なのは何とも皮肉である。
ダイエー創業者の中内功氏は、岡田卓也氏(岡田元也社長の父親)と共に流通革命の旗手と呼ばれ、ダイエーを巨大企業に育てたカリスマ経営者だが、無理な拡大路線が結果的に同社の経営危機を招いてしまった。中内氏は2005年に亡くなっているが、今回のダイエー消滅をどのような思いで見ているのだろうか?
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