昨今、「女性の社会進出の促進」が取り沙汰されています。
日本の女性の社会進出が遅れている一つのバロメーターとして「女性管理職の割合が少ない」というのがあるのですが、管理職が少なければ「女性が認められていない」という事になるのでしょうか。
それはあくまで一部のパワーウーマンの価値観であって、仕事はしたいけど身の丈に合った役割が果たせればいい、という女性の方が圧倒的に多いだろうし、女性の管理職が増えたからといって、女性の幸福度や社会の理解度が向上するとも思えない。もし、「女性管理職の多さ」が女性の地位向上や幸福度のバロメーターになるなら、それが最も進んでいる国の皆さん、たとえばよく引き合いに出されるアメリカとかヨーロッパの女性たち、日本女性に比べてうんと幸福で進んでいるはずですよね。
でも、実際は、「セックスアンドシティ」なんかでギャーギャー騒いでる。ちょっと古いところだと「ブリジットジョーンズの日記」もあった。
結局、抱えてる問題はみな同じだし、あっちの国の女性の方が日本女性よりはるかに幸福や生き甲斐を感じているという実証も乏しい、管理職の割合、うんぬんは、大したバロメーターにはならんと思うのですよ。
企業や行政に女性管理職が増えたって、大多数の女性にとっては「はあ、そうですか」
それより「旦那に定時で家に帰って欲しい」「旦那の仕事や給料を安定して欲しい」「子供が安価で質の高い教育を受けられるようにして欲しい」という必要性の方がもっと切実ですからねえ。
確かに、私の周りを見る限り、某国の女性はめっちゃ楽ですよ。
・出産は帝王切開(無痛分娩)が定番。楽して産んで、とっとと回復。
自然分娩→自ら苦しんで何が楽しいの?
私も陣痛室でウンウン苦しんでる時に現地看護婦に言われました。「(自然分娩が主流な)日本では絶対に産みたくないわ」って。ついでに、早く子供を産道から下ろそうとせっせと廊下を歩いていたら、帝王切開待ちの産婦さんが寄ってきて「自然分娩するの? なんて素晴らしいの! あなたは偉大だわ! 勇気があるわ!」って、大絶賛されました。
これぐらい価値観ちゃいますからね。
「帝王切開? 楽して産んだのね。女は自然に産んで一人前よ」などという姑は、それこそセクハラで断罪しましょう!
いっとくけど、帝王切開、術後の痛みでのたうちまわるぞ。
・若夫婦は妻実家の近くに住み、同居も妻側の両親が常識。
これが共働き家庭の理想パターンです。
夫側両親と同居。それだけでストレス満開。
それが原因で離婚になるのは、外国でも同じです。
だから、利口な外国人男性は、妻側を立てる。
それが家庭生活を円満に回す秘訣だと知ってるからです。
自分が妻の機嫌を取らなくても、妻の両親が妻のメンタルケアもしてくれますし。
男性もめっちゃラクなんですよ。
自分自身も嫁姑戦争に巻き込まれることなく、仕事に専念できますからね。
・夫は定時で帰宅
これは判断が分かれるところです。
まだお客がいるのに、男性でも定時になると窓口しめちゃうし。
取引先の緊急の用事があるのに、「休暇中」は絶対受け付けないし。
医師でも帰っちゃう。おーい、私の診察は~~、みたいな。
でも、妻(母)から見たら、有り難い話。
平日午後三時でも、子供の学芸会にカメラ片手に参加するパパの何と多いこと。
水曜日の午前十時に「子供のピアノ教室」の送り迎えで職場を抜ける男性もありますし。
もちろん妻の検診やマタニティ教室にも付き添いますよ。平日の午後四時でも。
午後六時にもなると団地内にはベビーカーを押す男性がわらわらと出現し、そのまま妻に託されたメモを片手にスーパーでお買い物する人も非常に多い。
妻(母)にとっては、まさに天国のような光景だ。
その間、企業や店舗はどうしてるか、って?
過剰な顧客サービスはやりません。
機械が故障しても「明日でいいじゃないか」
注文家具が納期遅れていても「さあ、いつぐらいに出来るかなぁ」。
午後八時になると容赦なくシャッターが閉まります。
祝日は仕事しません。だって神を讃える日だから。
スープにハエが浮いてます! ハエだけすくって、「さあ、召し上がれ」
→ っつーか、スープにハエが浮いたぐらいで文句言わないんだよな、こっちの人。
自国産業がH&MやトイザらスやマクドナルドやBOSCHにメタメタにやられても、全力で立ち向かおうという気概がないというか、もう完全に国際資本に屈してしまってるし。
日本人って、ダメダメと言いながらも、まだSONYやTOSHIBAやHONDAに誇りというか期待をもってるじゃない。
給料以上の気遣いもするし。
ゆえに、日本は発展し、我が国は中進国から抜けられないんだよな~、と他人事のように笑っている、あんたら! 定時に帰って、ビール飲んで、サッカー見てる暇があったら、働けよ! 勉強しろよ! と言いたくなる私は、やっぱ日本人妻です。
・幼稚園も小学校も子供を午前六時半から午後五時まで預かってくれる。
幼稚園は7月も年末年始も預かってくれます。
小学校も冬休みの一時預かり有り。
完全無料ではないけど、共働き家庭には大助かりです。
・保育園も幼稚園も学校もぜーんぶ給食
弁当作りがないだけでも、共働き主婦には大助かりでしょう。
小学校には売店もあり、パンや飲み物も購入できます。
・平日の夕食=スープとサンドイッチ
これで済ませてる家庭も多いです。
もちろんスープはインスタントじゃなくて、トマトスープとか、ヌードルスープとか、ボルシチとか、いろいろ種類があるんですけど、フライなんか揚げてるよりはるかにラク。
それにパン、チーズ、ハム、トマト、パプリカなどのサンドイッチを添えて、夕食完了。
(カナッペみたいな感じ)
夜に揚げ物だの煮付けだの、ごっそり食べないから、スタイルもいい。
そんでもって、子供が御飯を食べなくても、あまり気にしない。
食育だの、栄養だの、ギャーギャー騒がない。
食べたきゃどーぞ、食べたくなければ、はあそうですか。
「子供なんて、そんなもんだしぃ」
おおらかさ、というか、鈍感になれる点が羨ましい。
・教育費は大学までタダ。
これが一番ありがたい。
けど、その分、税金払ってるからにゃー。消費税10パーセントから24パーセント。
所得税も種類によっては3割ぐらい持ってかれる。
.勉強→超低空飛行から開始。親も子供もノンストレス
小学校三年生で、やっと3桁の計算が登場。
それも200+50=250みたいな。超低空飛行。
日本の小学生がすでに円周率や三角形の面積とかやってるのに、こっちはまだ九九の練習。
夏休みの宿題もないし。
高学歴志向のご家庭にはとても進められないです。
日本の小学生、めっちゃすごい。
三年生で400以上の漢字を読み書きし、面積計算もできる、グレートすぎる!
その代わり、こっちの学校は、酷いイジメや登校拒否、暴力、自殺はないね。
安心して子供を学校に通わせられる。(学力は別として)
タダだし。
学校環境はこっち、学習内容は日本が理想的。
・なんでも女性優位だし
日本では書類でも先に男、次が女でしょ。
こっちは女が先、男が後。
結婚招待状でも、日本だと「夫の家」→「妻の家」が常識だけど、
こっちは「メアリー」→「トーマス」なんよね。
書類などで男女が連名する時は、絶対に「女」が先で「男」が後。
徹底してます。
・「男性より尊重されて当たり前」という基本意識がある
公式の場で、男性優先してる時点で、女性が自らを卑下してる。
忘年会の席順も「男性を上座に」が常識と決めてるでしょ。
女性の権利が! と叫んでいる人でも、「それがマナーですから」と、男性を立ててません?
こっちは「男性より尊重されて当たり前」が女性の基本意識だから、精神風土からして違う。
社会制度が女性にも優位に整っているからではなく、意識そのものが違う。
ここをひっくり返すのは、日本の文化やマナーを逆転することでもあるからね。
「しきたり」や「格式」の中で、席順でも、名前の表記でも、「男性が先」が常識になってる限り、女性優位の考え方なんて難しいと思う。
……等々。
これだけの社会の仕組みや常識や精神風土の違いがある中で、欧米のデータを指標にしても、本当の意味で日本女性の救いにはならんと思うのですよ。
日本には日本女性の精神風土にあった生き方や幸福があって、それに添った物の考え方をしないと、
「他の先進国はこうだから」とデータ引っ張っても、本当の意味で女性、妻、母の心を動かす動機にはならんと思うのですよ。
だって、日本のお母さんって、「お弁当は愛を込めて手作り」「母乳で育てたい」「パパ、ママ、子供が川の字になって寝て幸せ」「少しでも良い学校に入れてやりたい」、そういうとこに幸福を感じてる人、まだまだたくさん居るでしょう。
女性管理職の多い国々とか、共働き80パーセントの国々(うちもそうだけど)の女性が、どんな価値観もって生きてるかといえば、全然ちゃいますからね。
子供の食事に対する考え方からして違う。
まったく違う価値観もって子育てしている国の女性と、同じ枠組みで考えるのは間違いやと思うわけです。
でもって、「外国の女性は・・」を引き合いに出す人って、たいがい、英語も出来て、外人サマと対等に商談もできるような、ずいぶんスペックの高い女性が大半でしょう。
そういう高スペックの女性から見れば、子供はベビーシッターか自母に預けて海外出張もバンバンこなし、年収も億超えてるような外国ママは、そりゃあ羨ましいですよ。彼女らは海外出張したって、「母親のくせに」なんて言われない。旦那に家事も育児も任せて西に東に飛び回ってる。
でも、それが「日本ママにとって幸せで理想の生き方」かと問われたら、そうは感じない方もたくさんいらっしゃる。
志が低いわけでも、怠け者なわけでもない。
日本ママには、日本ママの子育ての価値観、というものがあり、「子供のために美味しい可愛いお弁当を作ってあげたい♪」という気持ちが、キャリアアップや自己実現の野心に劣るとは思えないんですよ。
ゆえに、日本ママの望みに即した環境を作って差し上げて下さいよ。
もちろん、そこには「働きたい」というママも含まれる。
その「働きたいママ」の価値観も、やっぱり外国ママとは異なるし、(男性の労働環境を含む)社会の仕組みや精神風土からして違う。
日本ママの望みを無視して、諸外国の指標を目標に掲げて、「女性のみなさん、働いて、輝いて」と言うても、そら説得力ないです。
そして多くの日本ママは、「こんな口車に乗っかって自分を見失ったら、たちまち家庭がメチャクチャになる」と、予見してるんじゃないですか?
本当に母親が安心して働ける環境を作りたければさ、「妻側両親と同居、もしくは近居」を一般常識とし、平日の夕食は「おばあちゃんが作る」を当たり前、とするのが最短距離です。
そしたら、みんな、安心して働きに出られます。
子供が病気してもへっちゃら。学校やお稽古の送り迎えで気を揉む必要もなし。
保育園増設するより、はるかに安上がりです。
ジジババも孤独から解放され、嫁姑戦争が激減して夫もラクちん、仕事に専念できますよ?
介護も、我が親なら頑張る! という女性、多いだろうしね。
実際、そうして、ここの国は共働き率80パーセント達成してますから。
日本の利口な男性は、嫁に働いて欲しかったら、ぜひ、妻側同居&近居(目安;徒歩5分)を取り入れて下さい。
嫁姑同居させるより、うーんとラクですよ。
嫁がフルタイムで働いて、世帯収入も維持できるし。
毎日夕飯に美味しいものも食べられる。
夫が妻のご機嫌取りしなくても、妻の両親が心のケアしてくれるし。
あなたも「婿どの」として大事にされるし。
嫁が精神的に安定していると、夫にも十分な愛情が回ってくるし。
近くでネチネチいじめられないから、夫側両親にも優しくなれます。
仮に妻側両親も共働きで、なかなか孫の面倒みるのは難しいとしても、「近くに住んでる」というだけで心強い。
メリット、多いんだけどね。
まあ、ほんと、データだけ見たら、「他国の女性はこんなに働いているのに、我が日本は!」という気分になると思う。
でもね。「データに現れない実態」というのがありますから。
子供の学力でも、日本はまだまだ高水準ですよ。
私なんか小学校3年生に相当する息子の教科書見ただけで、泡吹いて卒倒しそうだもん。
こりゃなんだ、子供の塗り絵本か、公文式の1年生の方がよっぽど上じゃん! みたいな。
かといって、「日本の学校教育の方が上です」とは言い切れない。
酷いイジメ、子供の鬱、自殺、暴力、女子高生の売春、引きこもり、etc。
学力データには現れない問題がいっぱいあるじゃないですか。
こんな陰惨な現実を知ったら、学力が低空飛行でも、子供の目がキラキラ輝いて、みんなお行儀よくて、仲良く遊んで……という方が幸せなんかな、と思いますし。
ただし成人してからの社会環境が酷いからなぁ・・。
失業率20パーセント超え、サラリーマンの平均月収10万円以下。
でも物価は先進国並に高いです。
共働き80%も、女性の志が高いからではなく、現実問題として共働きしないと生きて行かれないからです。
それを数字だけ見て、「社会進出が進んでるぅ」「日本の主婦は遅れてるぅ」とは言えません。
ある意味、専業主婦が多くてもどうにか立ち回っている点で、日本はまだ基礎体力がある。
それが崩壊しかかってるから「働け、働け」の方向に進んでるわけだけど、「夫の手取りが10万円なので妻も働く」と、「夫の手取りは20万だけど、プラスアルファの潤いと蓄えが欲しいから」で働きに出るのでは全然意味合いが違うし、まだそこまで切り崩さなくても、他で補える部分がいっぱいあると思うんよ。日本の場合はね。
ここなんか、それこそ虫の息。
本国に住んでる国民より、外国で暮らしている国民の方がはるかに多い国。
自国では食っていけないからね。
その分、普通のおばちゃんでもそこそこに英語勉強して、海外に移住する度胸やたくましさはあるけども。
日本はまだそこまで切羽詰まってないと思うので。
日本のお母さんのいいところが伸ばせるように、うまいこと支援してあげて欲しいですね。
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あ、ちなみにね。
「日本の添い寝=甘やかし」みたいな論調もあるけれど、私は逆に周りのお母さんに褒められたりします。
第一子の退院時、タクシーの運転手さんに、「あんたも添い寝で育てるんか?」と聞かれて、「幼いうちは、多分、そうします」と答えたら、
「この前、ラジオのニュースで言うてたよ。日本人は添い寝で育てる、だから日本は賢い人がいっぱい育つ、って。僕もいい習慣やと思う。がんばりや」
と言われて、意外でした。
子供と一緒にお風呂に入るのも、こっちでは、あり得ない事らしいけどね。(父親が娘とお風呂に入ったら性的虐待で通報されるとかいう話も聞いたことがある)
よそはよそ、うちはうち、日本ママには日本の精神風土に合ったやり方がありますよ。
実際、日本の方が優れていると評価してる外国サマもあるのだから、やみくもに真似しなくていい(真似せんほうがいい)です。