御嶽山噴火:九州でも警戒求める 登山客などに

毎日新聞 2014年09月27日 21時01分(最終更新 09月27日 21時32分)

 突然の御嶽山噴火を受け、多くの活火山がある九州でも専門家らが登山客などに警戒を求めた。福岡管区気象台火山監視・情報センターは「今のところ九州の火山に大きな変化はないが、予測できない水蒸気爆発などの急な噴火もあり、常に警戒が必要」と訴える。

 多くの観光客が訪れる熊本・阿蘇は、中岳第1火口で8月30日に噴煙が確認され、噴火警戒レベルが1(平常)から2(火口周辺規制)に引き上げられた。噴石などの恐れがあるとして、火口から約1キロの範囲で入山が規制されている。

 規制区域のすぐ外側にあるレストラン「火の国茶店」の店員、岩本峰子さんは「御嶽山の噴火は驚きで怖いが、今日も阿蘇がレベル2になったことを知らずに来た人がいた」と心配する。阿蘇火山博物館の溝口千花課長も「来館者はニュースをみて驚いていた。入山規制を知らない人が多いので気をつけてほしい」と話した。福岡管区気象台も「風下では降灰などに注意してほしい」としている。

 九州には、毎日のように噴火している桜島(鹿児島)を筆頭に、霧島(鹿児島・宮崎)、阿蘇、雲仙(長崎)、九重(大分)などの活火山がある。御嶽山と共通するのは、霧島や阿蘇など、大半の火山が観光地化され、多くの登山客が訪れる点だ。

 鹿児島大の井村隆介・准教授(火山地質学)は「今回の噴火は規模としてはそれほど大きくないが、それでも突然噴火したり、近くに人がいれば大きな災害になることを示した。登山客には『生きている火山に登る』という意識を持ってほしいし、招き入れる側には登山客の安全性をどう確保するのか、しっかりと考えてほしい」と指摘する。【関東晋慈、山崎太郎】

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