御嶽山噴火:水蒸気爆発か 噴出物を分析へ

毎日新聞 2014年09月27日 21時07分(最終更新 09月28日 00時12分)

水蒸気爆発とマグマ水蒸気爆発
水蒸気爆発とマグマ水蒸気爆発

 火山の噴火は主に3種類に分けられる。水蒸気爆発、マグマ水蒸気爆発のほか、マグマ自体が噴出するマグマ噴火だ。

 このうち水蒸気爆発は、マグマの熱で付近の地下水が気化し、大量の水蒸気が発生して圧力が急激に高まることで起きる。火口付近の岩石が砕け、マグマ片を含まない噴石や火山灰として周囲に飛散する。一方、マグマ水蒸気爆発は、地下水と接触したマグマが水蒸気と共に噴出することによる爆発的噴火だ。マグマの上昇や蓄積があれば山体が膨張し、地殻変動が起きると考えられている。

 7年ぶりとなる今回の噴火について、気象庁の北川貞之火山課長は、傾斜計や全地球測位システム(GPS)観測の状況から「マグマが直接上がってきたとは考えにくい」と、水蒸気爆発の可能性を示唆する一方、「火山灰を調べないと判断できない」と強調した。

 マグマが上昇していれば大規模な噴火に警戒が必要となる。気象庁はマグマが関与する本格的な噴火なのか、水蒸気による爆発かを調べるため機動調査班6人を現地に派遣し、噴出物を慎重に分析する方針だ。

 27日は山頂付近が雲に覆われ、噴煙の高さなどは不明だが、火口の南約8キロに設置された監視カメラでは、黒い噴煙が南側の斜面に流れ落ちる様子が確認できた。これが火山灰や高温の火山ガスなどが一体となり、高速で流下する火砕流と言えるかは「精査しないと分からない」という。噴出物にマグマが混入していた場合は、警戒範囲の拡大も検討する必要があるとしている。

 大学の火山学者らでつくる「火山噴火予知連絡会」は28日午後、臨時会合を開き、御嶽山の火山活動状況を検討する。【千葉紀和】

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