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<御嶽山噴火>一面暗闇「命の危険」 掛川の男性、恐怖の下山

(2014/9/28 07:58)

 秋の行楽シーズンを襲った27日の御嶽山(長野、岐阜両県)の噴火。鈍い地響き、ごう音とともに噴き上がる噴煙。火山灰に遮られ、紅葉が美しかった視界は真っ暗に。「命の危険を感じた」。下山してきた登山客は青ざめた表情を浮かべ、恐怖の瞬間を振り返った。
 バリバリバリ―。雷が近くに落ちたようなごう音がした。とっさに頂上の方を見上げると、巨大な噴煙が立ち上り青空がみるみる覆われた。
 会社の同僚3人と一緒に御嶽山に登山中だった掛川市の会社員の男性(31)は噴火時の様子を生々しく語った。
 御岳ロープウエーを使い午前10時ごろ7合目に到着した。正午ごろ、8合目と9合目の登山道で休憩していると、突然地鳴りがした。
 火砕流だったら、下山すればのみ込まれると思い、立ち止まって様子を見た。火砕流ではないことが分かり下ったが、すぐに火山灰に追い付かれた。「真夜中のように真っ暗になった。携帯電話のライトを頼りに一歩ずつ下った」
 下山中も何度もバリバリという音が聞こえ恐怖を感じた。8合目の山小屋に何とか到着した。全身灰だらけになった登山者が40〜50人避難していた。一様に緊張した表情を浮かべていた。
 40分ほどすると、徐々に明るくなり下山した。男性は「噴煙を見た時は状況が飲み込めなかった。火山灰に覆われ息苦しく、目も痛かった。命の危険を感じたが、何とか下山できてよかった」と安堵(あんど)した様子で話した。
 27日午前11時53分、噴火が起きた頂上付近。山小屋近くにいた愛知県豊田市の会社員の男性(54)は、熱風と硫黄臭で呼吸ができないほどに。避難した山小屋の屋根に石が大量に降り、何個かは屋根を突き破って床も貫通した。「小屋の外に2人が倒れているのを見た。灰をかぶっていて顔が見えなかったが…」と声を落とした。
 山頂から少し下りた所でも、すごい勢いで空から噴石が落下。岩場に隠れた愛知県豊橋市の男性会社員(24)は「スイカほどの大きな岩も飛んだ。一歩間違えば死んでいた」。その後、火山灰が雨のように降り、辺りは真っ暗に。「痛くて目も開けられない。灰が口に入って呼吸が苦しかった」と振り返る。

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