東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 埼玉 > 9月27日の記事一覧 > 記事

ここから本文

【埼玉】

埼玉高速鉄道 386億円の損失補填

写真

 赤字経営が続く第三セクターの埼玉高速鉄道(SR)に出資する県と沿線のさいたま、川口両市は、同鉄道の借金を現在の千百三十八億円から六百二億円に圧縮させる経営再建策をまとめた。県と両市が、金融機関からの借入金に対する損失補填(ほてん)として、総額三百八十六億円を投入することなどが柱。経常利益を黒字化させ、車両や駅舎の整備などハード面での充実を目指すという。 (堀祐太郎)

 SRは、二〇〇一年の開業時点で一日あたりの乗客数を十四万人と見込んでいたが想定より伸びず、一三年度は九万三千人にとどまっている。県の担当者は「リーマン・ショックや東日本大震災などによって想定よりも景気が落ち込んだため」と理由を説明する。

 収益が伸びないため、SRは一〇年度には、借金の返済期限を当初に設定された二六年度末から五年間延長してもらうなど、借金返済が経営の重荷になっている。

 今回の経営再建策では、金融機関からの借金四百十三億円のうち三百八十六億円について、県とさいたま、川口両市の三者が第三セクター等改革推進債(三セク債)を発行して肩代わりする。また、三者が同社に貸し付けている二百三十九億円のうち、最大二百億円を株式として保有することで相殺する。

 独立行政法人「鉄道・運輸機構」からの借金四百八十六億円については、三一年度末の返済期限を延長することも求める。

 県の試算では、これらの再建策によって、来年度の借金返済額が一三年度の12%程度にとどまり、利息の支払いも半分に抑えられる。経常利益は初めて黒字に転じるという。

 県は、肩代わり分の三百十七億円などを盛り込んだ一般会計補正予算案を、十九日に開会した県議会九月定例会に提出。上田清司知事は、提案理由の説明で「予測が甘かった点は率直に受け止めている。経営再構築によって将来損益は大きく改善する」と強調した。

 川口市が市議会九月定例会に提出した関連議案は既に可決。さいたま市も、開会中の市議会定例会に関連議案を追加提出した。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo