ブログ開設早々、かなりディープな考察になりますがご了承下さい。

さて、このブログのアクセスするような方ならば重々ご承知かとは思いますが、咲-Saki-の登場人物である姉帯豊音(以下 姉帯さん)の出身地については今まで多くのファンやブロガーの方が考察されていました。

例えば…
私的素敵ジャンク 様の 姉帯豊音と山女について
最近ですと・・・
かんむりとかげ 様の 姉帯さんの村と糠部、また遠野との繋がりについて
などなど。

しかし、私が知る限りでは幾つかの説はあっても、いずれも矛盾に突き当たり断定まで至らない結果となっておりました。そこでブログ開設記念に、無謀にも咲-Saki-界の「フェルマーの最終定理」的な難題である「姉帯さんの出身地の特定」に挑んでみたいと思います。

なお、本記事では姉帯さんの出身地を便宜的にあねたい村と記載いたします。
(過去に実在していた姉帯村との混同を避けるためと、何となくかわいいからです)



あねたい村についての既知の情報

さて、まずは情報の整理から。
今まで原作のマンガにて記されていた、あねたい村の情報を列記していきます。

●あねたい村は岩手県に存在する
001-01
(咲-Saki- 10巻 156ページより)
同じ県内なのに、わざわざ「岩手から来ました」と前置きしているところがポイントです。
岩手県内でも、宮守からかなり離れたところから来ていると多くの方が推測されています。

●あねたい村は山奥にある。また、あまり娯楽の無い場所である可能性が高い。
001-02
(咲-Saki- 10巻 170ページより)
この台詞より、岩手県の中でも沿岸ではなく内陸部の山奥であると推測できます。
また、テレビくらいしか楽しみがなかったという台詞については見解が分かれるところではありますが、近くに繁華街やレジャー施設が無かった、という説が有力です。
(一方で、外出が厳しく制限されていたのでは・・・、という説もあります。いわゆる軟禁状態ですね)

●あねたい村は午後7時過ぎに宮守発の電車に乗らないと、あねたい村に辿り着ける
 最終バスに間に合わない場所である

001-03
(咲-Saki- 10巻 161ページより)
このページの少し前に時計の描写があるのですが、そこで時計の指している時刻は午後6時50分
この時点から宮守の駅に向かうと、到着は大体午後7時過ぎになります。
つまり、午後7時過ぎに宮守駅を出ればギリギリで帰れる場所である、と読み取れます。
一見、大きなヒントが与えられたように思えますが、これが本当に厄介な枷なんです…。
その理由は後述します。

●あねたい村は「村」と呼ばれている地域である
001-04
(咲-Saki- 10巻 157ページより)
何のこっちゃ、な文章ですね・・・。
つまりは、姉帯さんは「村」と呼ばれている地域の出身である、という事です。
この「村」という単語ですが、実は割りと解釈が難しかったりします。
  1. 文字通りの村、つまり市町村区分で実在する「○○村」
  2. 「旧○○村地区」など、昔は村として独立していたが、現在は市や町の一部である地域
  3. 全く実在しない、作者の小林立先生が創造した架空の自治体
1.の場合は話が非常にシンプルにまとまります。
何せ、現存する「○○村」の中から絞り込めばいいだけですから。

問題は2.の場合・・・
俗に言う「平成の大合併」によって、ここ何十年の間で全国各地で大規模な市町村の統廃合が行われたのは周知の事実かと思います。
もちろん、この岩手県でも市町村の統廃合は行われ、数多くの「村」が消滅しました。
統廃合の歴史を追っていく・・・となると、とでもじゃありませんが場所を絞り込むのは不可能です。
3.の場合は完全にお手上げですね…。
情報としては場所を特定できるようなヒントにはなりませんが、何故か私の中ではこの「村」という言葉がずっと引っかかっていました・・・。

・・・上記の4点の項目が、今のところ判明しているあねたい村の手がかりです。
(他にも重要な情報がありましたらコメント等でお教え頂けると嬉しいです)



あねたい村=旧姉帯村説について

姉帯さんのバックボーンが本編の回想シーンで明らかになったのが2012年の2月。
それ以来、偉大なる先人ブロガー・ファンの方々があねたい村の所在について考察されていました。
その中で最も有力とされており、ほぼ確定とされているのが「一戸町姉帯・面岸地区」説。昭和32年まで姉帯村と呼ばれていた地区です。
その名の通り、ここ姉帯村は「姉帯」という名字のルーツとなった地域であり、その名残か現在でも姉帯姓を持つ世帯の多くは岩手県北部に集中しています。

anetai_mura01
点線で囲まれた場所が「姉帯」地区です。

場所的には岩手県の県北、青森県はすぐそこってくらいに北です。
宮守へ移動するとなると、ちょっとした旅行レベルの移動時間になります。また、近くの繁華街に行くとなると盛岡まで電車で1時間以上の移動が必要です。そして何よりも、私も実際に行ったことがあるのですが、山奥で程よい田舎感がありました。

これだけ見ると、あねたい村の条件を満たしているように思えるのですが、問題が一つ・・・。
実はこの地域、夜間にバスは運行していないんです。つまり、「夜7時に宮守を出て~云々」の条件をクリアできません。

それくらいいいんじゃね? と思われるかも知れませんが、何せ作者は設定の鬼・小林立先生。シルエットくらいしか登場しないキャラにも、名前やバックボーンを設定するお方なんです。
そんな立先生が、電車・バスのダイヤも考慮せずにこんな設定を作るのか、・・・いや否。(だったら午後7時なんて具体的な時間を話中で出さないはずです)

・・・といった感じで、有力説とはされながらもいまいち確証までには至らなかった説でした。

しかし、その他の説も色々と根拠に乏しく、特にあねたい村への帰路については条件を満たす場所を見つけるのすら困難な状況…。こういう状況が約2年間、姉帯さんファンの方はモヤモヤした気持ちを抱えたまま過ごされたと思います。


この状況に終止符を打つ! ・・・とまでは行かなくても、何か一石を投じたい・・・。そう思ったのが、この記事を書き始めたきっかけであり、ブログを立ち上げた大きな要因であったりします。

だいぶ長くなりそうなので、ここで一旦切ります。次からがようやく本編です・・・。
次回あねたい村への帰路について、ある仮説に基づき、調査した結果を書く予定です。