2011年5月8日19時11分
仙谷由人官房副長官は8日のNHK番組で、東日本大震災の被災地に残る大量のがれき処理について「思い切った特例措置を議論しており、ぜひ国直轄の方向でやりたい」と、費用負担に加え、処理自体も国主導で進める考えを示した。
環境省が推計するがれきの量は岩手約600万トン、宮城約1600万トン、福島約290万トン。がれき処理は各市町村や県が進めるのが基本だが、仙谷氏は「(市町村では)現実の処理能力からしてもできない」と指摘。ただ、仙谷氏は具体的に国が処理をどう主導するかは言及しなかった。
環境省は仮置き場に集めたがれきを国が焼却・埋め立てる方法を検討している。同省によると、岩手県と仙台市は独自でがれき処理を進める方針。宮城県は、仙台市以外では被災自治体の行政機能が失われていることから、国に対し実施を求めている。
一方、福島県内のがれきには放射能で汚染されたものが含まれている可能性があるが、原発事故で原発敷地外に大量発生した放射能汚染がれきは、原子炉等規制法や廃棄物処理法の対象外で、処分方法が決まっていない。環境省と経済産業省原子力安全・保安院が協議しており、国で実施することも検討する。
また、仙谷氏は番組で、2011年度第2次補正予算案の今国会への提出について「地域の主体性のある復興計画が出てこないと、なかなか積み上がってこない」と述べ、現時点では否定的な見方を示した。