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国際
【主張】スコットランド 英国に留まってよかった
英国残留を選択した北部スコットランドの賢明な判断を歓迎したい。
スコットランド独立の是非を問う住民投票は、反対票が賛成票を10ポイント余り上回り、独立は決定的な差で否決された。
英国分裂という一時の懸念は現実化しなかったものの、独立待望論は依然くすぶっている。
キャメロン英首相は、英国に留(とど)まれば徴税分野を含む自治権を大幅に拡大すると約束し、投票結果を受けた演説でも来年1月までの立法措置を強調した。首相が述べたように、「連合王国が結束して前進する」ためにも、速やかな公約の実現に努めてほしい。
スコットランドがイングランドと「合併」して300年以上たつが、実態はイングランドによる支配だとする不満が今もスコットランドには根深く残る。
3年前のスコットランド議会選で、独立を掲げる地域政党が初めて過半数の議席を得たことが今回の住民投票につながり、首相もそれを受け入れた経緯がある。
その首相にも、ここまで独立派が追い上げるとは予想外だったろうが、見通しの甘さから混乱を広げた責任を問う声や、イングランドにも自治権を拡大せよとの要求が噴き出している。キャメロン氏は当面、傷ついた威信を回復し、「スコットランド後」の内政を安定させることが急務である。
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