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御嶽山 7年ぶり噴火 意識不明16人…死者の情報も

御嶽山が噴火 噴火直後の御嶽山
噴火直後の御嶽山(登山者提供)
Photo By 共同 

 27日午前11時53分ごろ、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山(おんたけさん、3067メートル)が約7年ぶりに噴火した。長野県の地元消防によると、女性1人が死亡したとみられ、県警が確認を進める。長野県によると、少なくとも16人の登山者が意識不明となった。重傷者が30人以上との情報もあり、さらに多数のケガ人が出ている可能性もある。火山灰まみれで下山した登山者は「死を覚悟した」と話した。

 紅葉を楽しむ人らでにぎわう御嶽山の山頂付近は、一瞬にして真っ白な世界に変わった。

 登山道の各山小屋には視界不良などで下山できなかった44人がとどまったが、このうち1カ所では岐阜県警の警察官3人を含む36人の無事を確認。二次災害の恐れから警察などの救助は難航しており、28日朝にあらためて対応を判断する。

 警察庁によると、負傷者の一部は火山灰に埋まったとみられる。山頂付近などには一時、多数の登山客らが取り残されたが、27日夜までに約230人が下山した。

 国土交通省中部地方整備局が設置したカメラは、南側斜面を噴煙が3キロ以上にわたり流れる様子を記録。専門家は、火山灰や高温の火山ガスなどが一体となり、高速で流れる火砕流が発生したと指摘。気象庁は発生を確認していない。

 御嶽山の噴火はごく小規模だった2007年3月以来で、気象庁は27日午前11時から午後5時までに313回の火山性地震を観測。うち約240回は噴火前後の約2時間に集中し、その後は減少傾向になった。

 気象庁は今後も同規模の噴火が起きる可能性があるとみている。火口から4キロ程度の範囲で大きな噴石の飛散の危険があるのに加え、火山灰が風に乗って居住地域の近くまで影響を及ぼす恐れもあるとしている。

 気象庁によると、御嶽山は今月中旬にも火山性地震が増加していたが、ほかの観測データに変化はなく、噴火警戒レベルは1(平常)を維持。噴火後にレベルを5段階のうち3(入山規制)に引き上げた。入山規制の対象は長野県王滝村と木曽町、岐阜県高山市と下呂市。

 政府は27日午後、首相官邸の危機管理センターに官邸連絡室を設置。陸上自衛隊員を現地に災害派遣した。気象庁は降灰の範囲などを調べるため機動観測班を派遣し、専門家らでつくる火山噴火予知連絡会の拡大幹事会を28日に開く。

 ▽御嶽山 長野県と岐阜県にまたがる活火山で、標高3067メートル。1979年10月に水蒸気爆発を起こし、20数万トンの火山灰などを噴出。100キロ以上離れた前橋市でも降灰があったほか、火口から約400メートルの地点にも噴石が飛んだ。91年にも少量の火山灰を噴出する小規模な噴火があった。2007年には火山性地震が多発。ライチョウなどの貴重な動植物が棲息するほか、7合目までロープウエーも利用でき、登山客やハイキング客らにも人気がある。

 ▽噴火警戒レベル 火山活動の状況に応じて警戒が必要な範囲や避難など住民らが取るべき行動を気象庁が5段階で示している。2007年に運用を開始。全国には110の活火山があり、このうち常時監視する活火山の中で地元自治体の同意が得られたものから順次適用している。レベル5(避難)とレベル4(避難準備)は居住地域に影響があるため、特別警報に位置づけている。

[ 2014年9月28日 05:30 ]

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