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走るクルマで発電? 風を利用した「摩擦発電機」の実験(動画あり)

風で動く旗によって生じる摩擦で電荷を発生させる、実験的な「旗発電」装置が作製された。走るクルマの上などで発電することが目標だという。

 
 
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TEXT BY NICK STOCKTON
IMAGES BY JIHYUN BAE ET AL./NATURE COMMUNICATIONS
TRANSLATION BY TOMOKO TAKAHASHI/GALILEO

風船を頭にこすりつけるて静電気を起こすのと似た方法を利用して電荷を蓄積させる、実験的な発電装置の研究が、『Nature Communications』誌に9月23日付で発表された(日本語ハイライトはこちら)。

サムスンなど韓国の複数の研究機関に所属する研究チームが開発したこの装置は「flutter-driven triboelectric generator」(はためきによる摩擦帯電発電機、略称FTEG)と呼ばれる。小さな装置にかすかな風が当たると、電極をコーティングした旗がはためき、導電性を有するプレートにぶつかってこすれる。この摩擦によって、プレートの高分子表面に静電荷が蓄積する(摩擦帯電)。そして、この電荷を小さなコンデンサーが蓄えるという仕組みだ。

これらの旗は小さく、いずれも縦横が約13×10cmを下回るが、それぞれ寸法は異なっている。合成繊維でできた旗は、効率のよい導体である金の電極でコーティングされている。これらの旗とこすれ合うプレートは、同じく金でコーティングされた繊維を、基盤となる硬質の板と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:テフロンの名で知られる高分子重合体で、摩擦帯電しやすい素材)で挟み込んだものだ。

金でコーティングされた旗がはためいてプレートにこすれると、プレートは多くの静電荷を蓄積し、基板に挟まれた金がそれをコンデンサーに伝える。

 
 
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