御嶽山噴火:7人重体、多数の重軽傷者 48人下山できず
毎日新聞 2014年09月27日 21時24分(最終更新 09月28日 02時14分)
気象庁は27日、長野、岐阜県境にある御嶽山(おんたけさん)(3067メートル)が同日午前11時53分に噴火したと発表した。気象庁によると、国土交通省中部地方整備局が設置しているカメラでは、噴煙が火口付近から長野側の南側斜面を3キロ超まで流れ下りるのを観測した。両県によると、7人が意識不明の重体、27人が重傷。このほか、負傷者も多数いる。けがなどで登山者ら48人が山荘に取り残されている。
長野県は同日午後2時過ぎ、災害対策本部を設置し、自衛隊に災害派遣を要請。陸上自衛隊第13普通科連隊(同県松本市)の約110人が現地に向かったが、噴煙と火山灰のため、山頂付近のけが人をヘリで収容するのは難しい状況という。長野県王滝村、木曽町、岐阜県高山市、下呂(げろ)市の4市町村も対策本部を設置した。長野県は同日夜、木曽町と王滝村に災害救助法を適用した。
御嶽山は週末に合わせ多くの登山者がいた。長野県によると、山頂近くにいた約250人の登山者のうち多くは避難したが、3カ所の山荘に12人が取り残されている。岐阜県によると、男女2人が骨折し、同県側の「五の池小屋」に避難。登山者25人と従業員、警察官ら計36人が小屋に残っている。3人が火山灰に埋まっているという情報もある。また、7人の家族らから「連絡が取れない」などとの連絡があり、安否の確認を進めている。
長野、岐阜両県警は噴煙などのため救助活動を一旦停止し、28日早朝から再開する方針。東京消防庁は、指揮支援隊1隊と山岳救助隊などを派遣した。
御嶽山の噴火は2007年以来7年ぶり。山頂火口から4キロの地域に噴火に伴う噴石が飛散する恐れがあり、4市町村で警戒が必要。同庁は5段階の噴火警戒レベルを、火口内への立ち入りを規制する「1」(平常)から登山の禁止や危険地域への立ち入りを規制する「3」(入山規制)に引き上げた。
気象庁は機動調査班6人を現地に派遣した。記者会見した北川貞之火山課長は「今後、住民の避難が必要になるような大規模噴火につながるとは考えていないが、今回と同規模の噴火はあり得る。数カ月続く可能性もある」と述べた。
気象庁によると、周辺を飛行した航空機からの情報で、噴煙は上空8000〜1万メートルに達した可能性がある。甲府地方気象台は甲府市での降灰を確認した。