写真・図版ノートには『心』のアイデアがいっぱい。「渡辺崋山の邯鄲（かんたん）の絵」「漱石のつくった文字？」……から、どんな最終形を導くのか＝東京・中目黒の事務所、郭允撮影

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■祖父江慎（そぶえ・しん）さん（５５）　ブックデザイナー

　夏目漱石の小説『こころ』が岩波書店から最初に発売されたのは１９１４年９月２０日だった。それから１００年。記念の特装版のブックデザインを担当した。

　箱はどうする？　紙は？　活字の形は？　漱石が好きな余り、心が決まらないまま、デザインの締め切りが過ぎた。「げげげ、やばいーっ」。今月１８日だった発売予定は大きくずれて１０月下旬に。「仕事はほどほどに好きな方がいい」とシュンとする。

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