「うんどうかいでだんすをがんばります」美玲ちゃんの願いかなわず

　神戸市長田区長田天神町の茂みでポリ袋に入った遺体が見つかった事件で、兵庫県警は２４日、遺体を１１日から行方不明になっていた市立名倉小１年・生田美玲（いくた・みれい）さん（６）と確認し、死体遺棄容疑で同町の無職・君野康弘容疑者（４７）を逮捕した。

　「わたしはうんどうかいでだんすをがんばります」―。美玲さんが通っていた小学校の玄関には、美玲さん自身が書いた目標がつるされていた。かたわらには、黄緑色のドレスを着て踊っている自身の姿を描いた絵も。２７日の運動会で楽しみにしていたダンスは、披露することはかなわなかった。

　美玲さんがよく通っていた駄菓子屋の店主（７６）は、クラスメートと２人で一生懸命踊っていた姿を覚えている。「『おばちゃん、見て見て』って言って。めちゃかわいいし、上手やったわ」と振り返る。平井正裕校長は「上級生が大好きで、人見知りしない性格だった」。２２日には担任とともに母親に運動会のプログラムを渡したが、悲報が伝わった２４日、名倉小は運動会の２７日開催を中止と決めた。

　母親（２９）と生後６か月の妹との３人暮らし。プールで泳ぐのが大好きで、勉強も手を抜かない頑張り屋さんだった。小学校では夏休みに入ってからも１、２年生合同の課外授業があり、１日も休まず参加。プールに潜って宝探しをしたり、友達と水をかけ合ったりし、教室に戻るとひらがなの読み書きや足し算に取り組んだ。

　登校時には元気よくあいさつ。ある女性教諭は「体を動かすことや絵を描くことが好きで、体育や図工の授業では熱中していた」と話していた。

　近所の女性（６４）によると、天気の良い日にも差すほど傘がお気に入りで、１１日の防犯カメラにも日傘を差して歩く姿が写っていた。