御嶽山噴火:美しい紅葉も火山灰に
毎日新聞 2014年09月27日 20時30分(最終更新 09月27日 20時43分)
美しい紅葉で知られる霊峰、御嶽山の表面が、本来の色を失い、灰色の火山灰に覆われていた−−。
愛知県営名古屋空港(同県豊山町)からヘリコプターで約80キロ先の御嶽山へ向かった。27日午後5時過ぎに山頂付近に到着すると、多数の報道各社のヘリの姿もあった。
上空から見ると、南側にある複数の噴火口から、茶色い煙がボコボコと途切れることなく噴き出していた。山頂に目をやると、水蒸気と見られる白い煙が覆い尽くすようにみるみる大きくなっていった。茶色い噴火口の煙も、白い煙も全く収まる気配はない。ヘリの操縦士が「これは普通じゃないな」とマイクを通してつぶやく。白煙は入道雲のように大きな塊にもなり、火山灰は糸を引くように地平線のかなたまで続いていた。
山頂近くの小屋は、煙の合間から途切れ途切れにしか確認できなかった。古くから信仰の山として富士山や立山、白山などとともに霊峰として知られ、「日本百名山」にも選ばれている御嶽山。過ごしやすい秋の週末は紅葉の季節でもあり、多くの登山客が山頂を目指すが、上空からは人の姿ははっきり見えなかった。
上空を旋回していると突如、山頂近くの北西の尾根でブルーのフラッシュライトが点滅しているのが見えた。一度消えてしまい、目を凝らしていると、再び、点滅した。遭難者からの緊急信号だろうか。ヘリで近づこうとしたが、白煙が視界を遮り、できなかった。警察や自衛隊にすぐ報告した。【三上剛輝】