現在、ハロー!プロジェクト所属のアイドルグループ「スマイレージ」が主演する、演劇女子部S/mileage's JUKEBOX-MUSICAL『SMILE FANTASY!』の稽古中です。
一昨日夕刻のこと。演劇女子部プロデューサーより、スマイレージの増員と改名の件について聞かされました。
突然のことで、正直只々驚きました。今はまだ驚きばかりが先立ちますが、でもこれは、彼女たちの未来に向けたポジティブな選択なのだと思います。グループ名が変わり装いも新たになる彼女たちと、これから入ってくる第三期メンバーも含め、僕はこれからも彼女たちを応援していくつもりです。
ただ、ひとつだけ気がかりなことがあります。
僕が脚本と演出を務めさせていただき、その稽古も大詰めに差しかかった『SMILE FANTASY!』のこと。
今回の作品は、普通の作品ではないといいますか、スマイレージがスマイレージと同じ名前のアイドルグループ、そしてメンバーが自分と同姓同名の人物を演じるという「メタフィクション的な構成」をとっている作品となっています。
そのため、劇中の内容的に今のスマイレージが迎えた状況ととてもシンクロしてしまう部分、そして幾ばくかの矛盾してしまう部分がでてきてしまいました。あの台詞が、あのナレーションが、あの歌詞が、あの演出が、本来の意図とは少々違った意味を持つこととなってしまいました。脚本執筆時にはもちろん、公演開幕直前に際して今のような展開になるとは夢にも思っていませんでした。こうなった以上はそれらの事柄について見て見ぬふりをして、スマイレージを応援してくださっている皆様に「楽しんでください!」と無責任に言うわけにはいきません。
今日の稽古場で、その場にいたメンバー・スタッフに作品の内容についてどうするかの意見を聞いてみました。内容を変更するか、そのままでいくのか。それを踏まえた結果、台詞・ナレーション・歌詞の一言一句、構成や演出の一切合財、それらすべてを僕の責任に置きまして当初の予定のままでお届けすることに決めました(通常の変更・修正作業は随時行っていくとは思いますが)。
これには、今から変更するとなると大幅な改訂が必要となり、現在の限られたスケジュールで公演初日に間に合わせるだけでも手一杯な状況で、改訂を行うための物理的な時間が取れないというのも理由のひとつです。でも大きな理由は、メンバーが楽しく演じ、さらにはそれをご覧いただくお客様に楽しんで観劇していただく、そのために準備してきた今回の作品に愛着があり、やはりこのままの姿で作品をお届けしたいという気持ちが強かったからです。だからこの作品は、メタ的に今の現実と重なって見える部分がもしかしたらあるかもしれませんが、そこに他意はありませんので、あくまで(メタとはいえ)フィクションとしてお楽しみいただければ幸いです。
観てくださった皆様が「あー、楽しかった!」と帰り道の足取りが軽くなるような、そんな明るく楽しい娯楽作品をお届けするつもりでこの作品に取り掛かり、その気持ちは今も同じです。そして、観る人に楽しんでいただくというそれ以外の目的は、この作品には込められておりません。まあ、まだどなたにも観ていただけていない作品についてああだこうだ言っても仕方ないことなのですが。まずは観ていただくほかはありません。作品そのものこそが僕たち作り手の意思です。
この『SMILE FANTASY!』という作品が、スマイレージと、スマイレージに関わった方たちと、彼女たちを応援し支え続けてくださったすべての皆様にとって、大切な作品になりますように。これから彼女たちが進む新しい未来のための、強い礎となりますように。スマイレージという名を冠したアイドルグループの、最初で最後の主演ミュージカル『SMILE FANTASY!』。心を込めてお届けします。
なんだか仰々しくなってしまいましたが、『SMILE FANTASY!』は楽しくて幸せな気持ちになれる作品です。最後に今一度、皆様にお願い申し上げます。どうかこの作品を楽しんでください。
末満健一
一昨日夕刻のこと。演劇女子部プロデューサーより、スマイレージの増員と改名の件について聞かされました。
突然のことで、正直只々驚きました。今はまだ驚きばかりが先立ちますが、でもこれは、彼女たちの未来に向けたポジティブな選択なのだと思います。グループ名が変わり装いも新たになる彼女たちと、これから入ってくる第三期メンバーも含め、僕はこれからも彼女たちを応援していくつもりです。
ただ、ひとつだけ気がかりなことがあります。
僕が脚本と演出を務めさせていただき、その稽古も大詰めに差しかかった『SMILE FANTASY!』のこと。
今回の作品は、普通の作品ではないといいますか、スマイレージがスマイレージと同じ名前のアイドルグループ、そしてメンバーが自分と同姓同名の人物を演じるという「メタフィクション的な構成」をとっている作品となっています。
そのため、劇中の内容的に今のスマイレージが迎えた状況ととてもシンクロしてしまう部分、そして幾ばくかの矛盾してしまう部分がでてきてしまいました。あの台詞が、あのナレーションが、あの歌詞が、あの演出が、本来の意図とは少々違った意味を持つこととなってしまいました。脚本執筆時にはもちろん、公演開幕直前に際して今のような展開になるとは夢にも思っていませんでした。こうなった以上はそれらの事柄について見て見ぬふりをして、スマイレージを応援してくださっている皆様に「楽しんでください!」と無責任に言うわけにはいきません。
今日の稽古場で、その場にいたメンバー・スタッフに作品の内容についてどうするかの意見を聞いてみました。内容を変更するか、そのままでいくのか。それを踏まえた結果、台詞・ナレーション・歌詞の一言一句、構成や演出の一切合財、それらすべてを僕の責任に置きまして当初の予定のままでお届けすることに決めました(通常の変更・修正作業は随時行っていくとは思いますが)。
これには、今から変更するとなると大幅な改訂が必要となり、現在の限られたスケジュールで公演初日に間に合わせるだけでも手一杯な状況で、改訂を行うための物理的な時間が取れないというのも理由のひとつです。でも大きな理由は、メンバーが楽しく演じ、さらにはそれをご覧いただくお客様に楽しんで観劇していただく、そのために準備してきた今回の作品に愛着があり、やはりこのままの姿で作品をお届けしたいという気持ちが強かったからです。だからこの作品は、メタ的に今の現実と重なって見える部分がもしかしたらあるかもしれませんが、そこに他意はありませんので、あくまで(メタとはいえ)フィクションとしてお楽しみいただければ幸いです。
観てくださった皆様が「あー、楽しかった!」と帰り道の足取りが軽くなるような、そんな明るく楽しい娯楽作品をお届けするつもりでこの作品に取り掛かり、その気持ちは今も同じです。そして、観る人に楽しんでいただくというそれ以外の目的は、この作品には込められておりません。まあ、まだどなたにも観ていただけていない作品についてああだこうだ言っても仕方ないことなのですが。まずは観ていただくほかはありません。作品そのものこそが僕たち作り手の意思です。
この『SMILE FANTASY!』という作品が、スマイレージと、スマイレージに関わった方たちと、彼女たちを応援し支え続けてくださったすべての皆様にとって、大切な作品になりますように。これから彼女たちが進む新しい未来のための、強い礎となりますように。スマイレージという名を冠したアイドルグループの、最初で最後の主演ミュージカル『SMILE FANTASY!』。心を込めてお届けします。
なんだか仰々しくなってしまいましたが、『SMILE FANTASY!』は楽しくて幸せな気持ちになれる作品です。最後に今一度、皆様にお願い申し上げます。どうかこの作品を楽しんでください。
末満健一
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