前回のあらすじ:電書ちゃんの誕生日をスルーして怒られた管理人。果たして一週間の猶予期間の間にプレゼントは完成したのか?
電書ちゃん 今日で一週間。タイムアップよ。あたしの誕生日プレゼントはできたのかしら?
ろす できました。いろいろ細部に手が回らなかったけどね。軽めのツールなのでプレスリリースはなし。
電書ちゃん ふぅん。じゃあどんなものか説明して貰いましょうか。
ろす はい。でんでんランディングページは自分の作った本の宣伝ができるTumblrのテーマです。
ろす ランディングページというのはインターネットマーケティングの用語で、広告や検索結果のリンク先として作られたウェブサイトです。通常1枚の縦長のページとして作られることが多く、商品やサービスを紹介して購入や資料請求に結びつけることを目的としています。
みなさんは藤井太洋さんが『GeneMapper』をリリースした時のことを覚えているでしょうか。藤井さんはこの作品を発表する際に、ランディングページを制作しています。さらにこのページに潜在顧客を誘導するために、Google Adwards広告を打ったりしていました。
でも、1つの作品のために専用のウェブサイトを用意するなんて、なかなか真似できることじゃないですよね。これをみんなが手軽に作れるようにならないかな、と以前から思っていました。
これまで僕たちはでんでんコンバーター、でんでんエディターと、主に電子書籍の制作を支援するツールを作ってきたわけです。「自分にも電子書籍が作れた」という喜びの声が聞こえてくるのはとても嬉しいことでしたが、次第に「自分の本が読んで貰えない」という悩みの声も聞こえてくるようになりました。
そんな時、見かけたのが佐野章核(@sanographix)さんのリリースした Tokusetsu2 という滅茶苦茶素敵なTumblrテーマでした。これは同人音楽CDのためのテーマなんだけど、同じようなニーズがセルフパブリッシングの世界にもあると感じました。それからセルフパブリッシング固有の機能要件も。
そこでいろいろ参考にしながら試作を重ねていました。それを電書ちゃんの誕生にかこつけて仕上げたわけです。もちろん本職のデザイナーさんに比肩できるようなものにはならないけど、「誰も作らないなら俺が作る」はいつだってジャスティスと信じています。
でんでんランディングページには1つ、とても誇らしい機能がついています。先日、言い値書店さんTwitterにEPUBの試し読みを埋め込むサービスEPUB2Twitterをリリースしましたね。今回、店長の @fujinyo さんにお願いして、アップロードしたEPUBの埋め込みコードを出力できる機能を追加して頂きました。これをページに貼り付ければ、ランディングページに試し読みが埋め込めるばかりか、そのページのツイートにも試し読みが表示される。さらにツイートのリンク先がこのページになっているので、購入のリンクに誘導できるようになるわけです。EPUB2Twitterが使ってるビューワは、もちろん松島智(@satorumurmur)さんのBiB/i。つまり、昨年でんでんコンバーターとJEPA電子出版アワード2013の座を掛けて競い合ったライバルたちが、力を合わせて実現できた機能といえるのでとても感慨深いです。
さて、いろいろ売り文句や思いを語ってしまいましたが、僕がセルフパブリッシャーをはじめとするユーザーのみなさんに一番望むのは、楽しんでもらうことです。きっと電子書籍を作るのと楽しいよ、自分の作品のためにウェブサイトを作るのは。
電書ちゃん、これまでいろいろごめんなさい。こうやって謝るのも何度目がわからないくらいだけど、これを君と電子出版に関わるみなさんへのプレゼントとしたいです。受け取ってくれますか?
電書ちゃん 話はそれだけ? お疲れ様。じゃ、あたしはそろそろ寝るわね。ろすちゃん、来年のプレゼントも楽しみにしてるわよ。
ろす (ゆ、許された……!?)