みなさんは、○○ベーションと聞いて、どんな連想をするでしょうか。ITエンジニアの方ならイノベーション、建築業界の方ならリノベーションなどでしょうか。
今の日本には、それぞれの業界に様々な○○ベーションが溢れています。今日は、そんな○○ベーションについて、お伝えしたいと思います。
ただのベーション
僕とベーションの初めての出会いは、小学4年生のときでした。放課後にサッカーをして遊んでいると上級生のC君が、ふいにグラウンドの外へ出ていきました。「どこにいくの?」無邪気な僕の質問にC君は、「ベーションだよ」と、すこし恥ずかしそうに答えました。僕は、一瞬、戸惑いましたが、すぐにトイレの事だと分かりました。
それにしても、ベーションなんて…。僕は、ベーション、ベーション、ベーション、と呪文のように繰り返し、その響きと唇に残る余韻を、ただただ、噛みしめていました。
思春期のマスタベーション
第二のベーションと遭遇したのは中学生のときです。性に関してまだ未熟だった僕は、自慰の意味も行為すら知りませんでした。自慰とマスタベーション、どちらを先に調べたか、ハッキリとは覚えていませんが、意味を知ってもモヤモヤした気持ちになったものです。
感動のスタンディングオベーション
そして、ついに現れたのが、スタンディングオベーションです。僕はこのスタンディングオベーションこそ、もっとも優れたベーションである、と感じています。なぜなら、ベーションに「立つ」という属性を加えたことで、2つの意味を表せるからです。
ひとつは立ちション。スタンディング+ベーションの組み合わせです。そしてもうひとつが立ちながらの自慰です。これは試してみましたが、非常に疲れます。ともすれば崩れ落ちてしまう体を、両足でしっかりと支え、フィニッシュを迎えます。行為後に極度の疲労が全身を襲いました。
ベーション倦怠期
それから、新しいベーションに出会うことはなくなりました。でも、僕の中のベーションは薄れるどころか、ますますその存在感を増していきます。ただのベーション、マスタベーション、スタンディングオベーション、それぞれの行為に、特別な意味を付加してくれる3つのベーション。それはまるで三本の矢のように、揺るぎない、強い信念で僕の心に根をはっていたのです。
リノベーション
実家の祖母が膝を悪くしたときに出会ったベーションです。手すりや階段のスロープ化を検討中に目に飛び込んできました。当時はリフォームという単語が一般的でしたから、こんな所にもベーションが!と衝撃を受けたものです。改造+自慰…いったい何が起ころうとしているのでしょう。
イノベーション
僕の中にベーションが深く根付いてしまった以上、もうこの呪縛から逃れることはできません。イノベーションを初めて目にしても、もう驚くことはなく、新機軸+自慰、が起こそうとしているイノベーションに胸は高まるばかりです。同時に、女性がイノベーションと発すると、異常にキョドってしまう自分も発見しました。
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これが僕のベーション感です。ベーションという強固なベースの上に、あたらしい価値、意味、想像力が次々とマウントされていく…。それは人間の可能性、無限の想像力でどこまでも広がっていく宇宙です。生まれた時は、たった一滴のベーションが、やがて大河となり大海原に流ていく…。
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…先日、僕の記事がボヤりコメント欄を閉めざるをえませんでした。関係者ならびに読者の皆様に、多大なご迷惑、ご心配をお掛けしてしまった。心よりお詫び申し上げたい。
そんなとき、ふと、心に浮かんだのは、やっぱりこれでした。どんな苦境におちいっても折れない。どんな失敗にも曲がらない。信じる気持ちを与えてくれる。生活にうるおいと大胆な思考を加速させてくれる──。
そう、ベーションならね。