便利さで「アジアのハブ」目指す羽田空港

本紙東京特派員ルポ

 17日午後11時半、記者は東京・羽田空港国際線ターミナルを訪れた。出国審査場の前にある免税店は搭乗前に最後のショッピングを楽しむ旅行客で混み合っていた。免税店の入り口では日本酒の販促イベントが行われていた。午前0時を過ぎても免税店だけでなく、ブルガリ、エルメスなど高級ブランド店も営業を続けていた。ブランド売り場は午前0時半の閉店。最大規模の免税店は24時間営業だ。

 当初「仁川空港に学べ」と2010年に開業した羽田空港国際線ターミナルは、今や仁川空港に劣らぬサービスを提供している。仁川空港は羽田空港の国際線ターミナルより乗客数が5倍多いが、午後9時半には客が少ないという理由で大型の免税店は閉店し、酒類・たばこの免税店だけが24時間営業している。

 東京の旅行会社「全国観光」のユン・セジョン常務は「大型店舗を24時間営業するのは赤字覚悟で長期的な乗り継ぎ客誘致、北東アジアのハブ空港としての地位を目指す戦略だ」と分析した。

 免税店から2-3分歩くと、「終日営業」を掲げる飲食店や広場がある。すしや牛丼、ラーメンなどを販売する8店舗が営業していた。窓辺には家族客のための広いテーブルとソファーもあった。ノートパソコンの利用者のためにコンセント付きの図書館式座席もあり、若い旅行客でいっぱいだった。値段が高いのではないかと思ったが、コーヒーは350円、ラーメンは750円で、東京の普通の飲食店と大差なかった。たばこを吸いながらビールを飲めるカフェで会った米国人、ニック・スミスさん(35)は「喫煙者に配慮したカフェだけでなく、無料インターネット、携帯電話の充電器など世界のどの空港よりも便利な設備を整えている」と話した。

 2000年代まで国際線が4路線しかなく、「田舎の空港」扱いされていた羽田空港が変身する契機となったのは仁川空港によるショックだった。仁川空港が急成長し、成田空港の利用客が激減した。国内線中心の羽田から成田で国際線に乗り継ぐには移動に2時間近くかかるため、地方に住む人々は日本に20以上の路線を持つ仁川空港に押し寄せた。2010年に仁川空港の利用客が成田空港を抜き去ると、当時の前原誠司国土交通相は「乗り継ぎ客が全て仁川に行ってしまう状況を放置できない」として、羽田を北東アジアのハブ空港に位置づける方針を打ち出した。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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