「ビル・グロースがヤヌスへ移籍することは、ヤンキースのデレク・ジーターが、宿敵レッドソックスへ移籍することと同じだ。」 -- ダグラス・カス(ファンド・マネージャー)
ニュース・ヘッドライン(ヤフー・ファイナンスから): 「債券王ビル・グロース、Pimco(ピムコ)を辞めてライバル会社へ移籍」下は、Pimcoのサイトから抜粋したグロース氏の紹介文です。
ビル・ グロース: 最高投資責任者(CIO)、マネージング・ディレクター驚きました。自ら創設した会社を辞して、ライバル会社であるヤヌス・キャピタル・グループへ移籍です。
PIMCOの創設者であり、ニューポートビーチを拠点とする。1971年のPIMCO創設以来継続して勤務しており、1.9兆米ドル以上に及ぶ資産の運用を統括する。債券市場に関する記事を多数執筆しており、、、
正に、そんな感じです。
このニュースで、ヤヌス・キャピタル・グループ株に買いが殺到です。
金曜の取引終了まで、まだ3時間以上残っていますが、現在株価は30%を超える爆発的な上昇、そして出来高は既に通常の35倍に達し、とにかく異常な状態です。
とうぜん疑問になることは、グロース氏は何故ライバル会社へ移籍するのか、ということです。普通に考えれば、自ら創設した会社なら愛着心があることでしょうし、それに氏は70歳ですからピムコで円満退職した方が良いと思われます。
最近、ピムコに関する気になるニュースが二つあります。先ず、9月24日のヘッドライン(ブルームバーグ)です。
SEC Probeの部分が示すように、ピムコはSEC(証券取引委)から取り調べを受けています。取り調べが入った原因は、グロース氏のETF(Pimco Total Return)の成績が、実際よりも高い数値で発表された疑いがあるためです。
二つめのニュースはこれです。
Pimco Total Return Fund suffers 16th month of outflows-Morningstar(ロイター 9月3日)ビル・グロース氏がマネージするPimco Total Return Fundから16ヶ月連続で資金が流出しています。 アナリストたちは、ファンドの成績が冴えないことを解約者続出原因にあげていますが、8月にファンドから逃げた資金は39億ドルにのぼり、これで2013年5月以来ファンドが失った資金総額は700億ドルという記録的な金額です。
後を絶たないファンドの解約者、そしてSECからの取り調べという実情を考慮すると、Pimcoにおけるグロース氏の立場は決して楽なものではありません。そして先ほど、こんなニュースが報道されています。
Gross was about to be fired from Pimco: reports (マーケット・ウォッチ)about to be firedの部分が示すように、グロース氏は、遅かれ早かれ首を切られる運命にあったようです。ヤヌスへの移籍について、「大きく複雑な組織を管理するという面倒の多くを捨て去り、全精力を債券市場と投資に注ぎ込める環境に戻ることを楽しみにしている」、とグロース氏はコメントしていますが、実際はPimcoでの居心地が極めて悪くなっていたようです。
(参照した記事:Bill Gross jumps to Janus; shares surge nearly 40%
ピムコのグロース氏が退社、ヤヌスに移籍
Pimco Total Return Fund suffers 16th month of outflows-Morningstar
Pimco Cooperating in SEC Probe of Gross’ Total Return ETF
Gross was about to be fired from Pimco: reports)
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