フランス人のエボラ患者にアビガン投与−要請受け緊急的に提供
医療介護CBニュース 9月26日(金)21時29分配信
富士フイルムは26日、同グループの富山化学工業(東京都新宿区)が開発したインフルエンザ治療薬「アビガン錠200mg」(一般名ファビピラビル)が、エボラ出血熱に罹患したフランス人患者の治療のために、フランスの病院で投与されたと発表した。同薬のエボラ熱患者への投与は初めて。同国の政府機関から富士フイルムに提供依頼があり、日本政府と協議の上、緊急対応として提供したという。【丸山紀一朗】
投与されたフランス人は女性看護師。リベリアの首都モンロビアでの医療活動中、エボラウイルスに感染していることが判明し、治療のためにフランスへ移送された。他の未承認医薬品とアビガンを併用する形で19日に治療が開始され、25日時点でも服用中だという。
アビガンは、現在日本国内でインフルエンザ治療に用いられている他の薬とは異なる新しいメカニズムを持つ。そのため、同薬は新型インフルエンザなどが発生し、他の薬で効果が出ない場合に備え、使用できる状況にしておくことは意義があると判断され、今年3月に製造販売が国内で初めて承認された。
厚生労働省によると、海外のマウス実験で、エボラウイルスに感染したマウスにアビガンを投与したところ、生存する可能性が高かったという結果も出ており、エボラ出血熱への効果が期待されている。厚労相の要請がなければ新たな製造はできないが、現在の在庫について富士フイルムは「2万人分以上は保有している」としている。
最終更新:9月26日(金)21時39分
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