「アホなことをやってみたかったの」と特注で作ったサーフィンギターを奏でる高中正義。10月からのツアーでも登場するというから楽しみ=東京・渋谷【拡大】
取材は東京・渋谷にある所属レコード会社の会議室。開口一番「しゃべるの、苦手なんですよ」とサングラス越しに照れ笑いすると、淡々とした口調ながら、面白トークが次々と飛び出した。
日本にフュージョンという歌のない演奏だけのジャンルを根付かせたカリスマギタリストは「最初は歌ってたんだけど、自分は音程が悪い。いわゆる音痴。レコーディングは機械で調整できてもライブはバレちゃう。でも口パクじゃ、詐欺みたいなものだから」と意外な理由を明かした。
続けて「中国の食品偽装や佐村河内とか同じだよ。STAP細胞は、まだ分からないけど。ベンチャーズやサンタナも歌わないし、だから歌わなくてもいいかなと思った」とニヤリ。
アルバムは名盤「JOLLY JIVE」がヒットした1979年の日本武道館公演をスタジオ録音で再現した。「ライブ感を大切にするため一発録りだったけど、『BLUE LAGOON』のイントロで間違えたフレーズも同じように弾いたね。重箱のすみをつっつくコアなファンがいるからさ」とこだわった。
武道館公演はライブアルバムのみならず映像商品化もされ、オールバックの高中がラグーンブルーのヤマハSGを演奏する姿はギター少年の憧れだった。「沖縄で見た緑っぽいブルーの海がきれいで、『この色にしてください』ってメーカーに頼んだの。できあがったら青色が強過ぎて、まーいいかってなった」。
オールバックは「飲みに行くときとか気合を入れるときにするんですよ。柳屋のポマードでね。ギター弾くから手につけないようにするのが大変だった。今はしないけどね」と、またニヤリ。