通算3000試合出場の快挙を達成した野村克也氏を祝福する香川伸行さん(左)【拡大】
巨人のセ・リーグ3連覇が決まり、全国のG党が歓喜に包まれたその日、突然の訃報が球界を駆け抜けた。
関係者によると26日、外出先から福岡市内の自宅に戻った夫人が、倒れている香川さんを見つけた。すぐに病院へ搬送されたが、死亡が確認された。死因は心臓発作とみられている。
香川さんは急性腎不全のため、長期間にわたる療養生活の経験があり、最近も週3回の人工透析を行っていた。加えて心臓疾患とも闘っていたという。
それでも野球関係を中心とした仕事は続け、2日前には東京都内で行われたプロ野球OBが集うイベントにも顔を出したばかり。訃報を受け取った出席者の1人は「信じられない…」と絶句した。
香川さんは大阪・浪商高で、後に中日などで活躍する牛島和彦さん(53)とバッテリーを組み、1978年春、79年春夏の甲子園で耀きを放った。当時1メートル72、95キロ。アスリートとは思えない丸々と太ったユーモラスな体形から本塁打を量産、その姿が野球漫画「ドカベン」の主人公・山田太郎に似ていることから「ドカベン」の愛称が定着した。それまでのスリムでカッコいいヒーロー像を根底から覆す、異色の人気者だった。