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【プロ野球】「優勝するために来た」「完全制覇を達成したい」 巨人・井端弘和内野手、優勝手記
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ナインと握手する巨人・井端弘和=横浜スタジアム(撮影・荒木孝雄) 優勝するために巨人に来たので、最低でもセ・リーグは勝たないと僕が来て戦力ダウンしたことになってしまう。もっとできたという思いも強いけど、ひとまずは満足しています。
巨人にお世話になると決めたのは、一度でも多く優勝を味わいたいという気持ちだけ。常にレギュラーは目指しますが、出場機会が少なくなることは覚悟の上でした。
とはいえ戸惑いもありました。試合に出ていないのにベンチで集中して試合を見ていて、いざ出番が来たときに体が疲れ切っていたことも。交流戦明けからは試合の見方を変え、五回くらいまではお客さんのように見て、試合の流れに応じて準備に入る。それだけで楽になりました。
巨人を倒すために野球をやってきた僕が、中に入って改めて感じたのは「巨人は大事な試合で必ず勝つ」ということです。意外にも、一喜一憂せず打ってもロッカーに帰れば冷静になる。負けてもすぐに「あしたまた頑張ろう」と切り替わる。「1年間同じ気持ちで戦える、大人のチームだな」と感じました。
ことしは特に接戦に強かった印象があります。交流戦では金子(オリックス)や則本(楽天)に苦しめられたけど、耐えて、しのいで、ワンチャンスをものにした。あのころから「接戦に持ち込めば勝てるんじゃないか」というのがチームに浸透したように思います。今ではむしろ、接戦を楽しんでいるイメージすらあります。
チーム最年長ですが、若手の手本になろうとは思っていません。そう思ったら現役を辞めないといけない。誰に対しても勝つつもりで練習してきたので、周りが「手本になっている」と思ってくれればいい。
残り155となった2000安打は、できれば打ちたい。ですが、個人的なことは巨人に来たときに完全に捨てました。1年でも長くプレーし、優勝に貢献することしか考えていません。
2007年に中日で一度日本一を経験したけれど、ペナントレースは2位。ことしは交流戦も制覇できたし、何とか日本一になって自身初の「完全制覇」を達成したいと思います。(巨人内野手)