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【全文】メタップスCEO佐藤航陽氏講演:最も起業に失敗しやすいのは「何でもこなせる執着のない人」

 導入アプリが10億DL超えのAndroidアプリ向け収益化プラットフォームや、決済手数料が0%のオンライン決済サービスなどを提供するメタップスのCEOを務める佐藤航陽氏。ここでは「Startup Boarding Gate」キックオフイベントの中で佐藤航陽氏が学生に向け語った、自身の起業までの経緯、起業後の成長や苦労話を中心に、起業をしていく中で必要なマインドセットについて書き起こします。

スピーカー

佐藤航陽氏/株式会社メタップス 代表取締役社長

見出し一覧

・大学に行く資金もない中、起業を決意して成功するまでの歩み
・「できない」と認識していてもいずれは「できる」に変えられる
・「こだわりや執着」が最終的な起業の成否を左右する
・日本独有の「協調性」とサイエンス寄りの考えが起業家には必要

大学に行く資金もない中、起業を決意して成功するまでの歩み

 皆さんこんにちは。佐藤航陽と申します。今日は3点、話していきたいと思います。1つ目に私自身の起業前の個人的な経緯、2つ目は最速で成長するためにすべきこと、最後は夢やビジョンは最初から必要かどうかについて話します。2つ目と3つ目に関しては、私自身が会社を作る前に疑問に思っていて、個人的に聞いてみたいと思っていた話をしようかなと思います。

 個人的な起業の経緯について、まず話していきます。私は、大学入学時に全財産が150万円しかありませんでした。ここから大学の授業料と生活費を出すと考えると、大学2年までしか在学ができないということが、入学した瞬間からわかっていたんですね。この問題をどうしようかなということ、そして将来について大学入学時から考える必要があったので、もうすでに就活生とほぼ同じ境遇にありました。最初に私が考えたのは、2年以内に司法試験をパスすれば、大学を卒業しなくてもいいのではないかということです。しかしこれは短絡的な考えでした。当時の司法試験はすごく難しくて、合格率が3%しかない試験を受けて合格を目指すというのが一般的でした。司法試験に向けて3か月間勉強して、これは無理だと途中で考え直しました。更に言うと、法科大学院の卒業までには約1500万円も費用が必要で、お金について疑問を持っていた私は、お金がないとなれない職業はどうなのかと考えるようになりました。

 もともと私は高校時代からビジネスをやっていて、そのお金で大学に入って生活もしていたので、起業はストレスなく受け入れることができました。法人格を持っているのか、それとも個人でビジネスをやるのかという違いを感じたぐらいでした。

 当時は、まだスマートフォンがなくて、パソコンを持ってる人もとても少ない時代でした。私自身もパソコンに触ったのは起業を決意してからで、プログラミングが出来る友人にパソコンを選んでもらうところからスタートしました。そのため、プログラミングとかWebデザインに関しては、起業しながら覚えました。実際に事業を開始して、顧客から受注をもらってから、プログラミングとかWebデザインを覚えていったということになります。受注したときには何もできないんです。でも、「出来ます、大丈夫です」と言って帰ってくる。契約書をもらって帰ったら本屋に行って学習を始めるという日々を送っていました。

 当時、私は20歳でした。そこから3年間、どぶ板の営業から経営、そして組織を作るような下積みの期間を過ごしました。正直な話を言うと、福島の田舎から出てきたこともあり、東京に友達はいませんでした。結構浮いてたので、東京でも一緒に会社を始めるような友達は出来ませんでした。なので、起業当初から、自分より10個以上も歳上の人を雇って、組織を作らないといけない。これには結構ストレスを感じ、やっぱり自分みたいな若者が中年の人たちに対して、「こうしろ」「ああしろ」と言うのはなかなか難しいことだと感じました。でも、これが今の経営にも生きています。

 試行錯誤を繰り返していく内に、2010年に事業が黒字化して、売上的に数億円、利益的には数千万円ぐらい出ていたので、ちょっと視野を広げようと思い立ち、シンガポールやニューヨーク、あとはシリコンバレーなどの都市を見て回り、大量の人に会いました。このことがかなり大きな転換点になりまして、自分が何をしたくてどのような社会を作りたいかということが以前の考えと変わってきました。

 そのため、2007年から2009年に関しては、事業を全部売却して資金を作り、シンガポールにある法人に全額投資しました。当時の社員は、「なんでそんなことをするんだ。社長はおかしくなったんじゃないか」と言っていましたが、私は明確にゴールや目標がわかっていたので、あまり迷いはありませんでした。

 そして、2011年から2013年にかけてはスマートフォンに事業を絞って、グローバル展開を加速してきたというのが、今までの7年間の経緯です。

「できない」と認識していてもいずれは「できる」に変えられる

 自分が成長した時期と停滞していた時期を考えてみると、最も成長した時期は、自分が出来ないことに挑戦していた時期です。出来ないことは、起業のスタートであったり、スマートフォン事業への参入だったり、グローバル展開のことです。こうしたものは全部、「自分にはできそうにない」と当時思っていました。

 一方で、自分が停滞していた時期は、客観的に見ると一番事業がうまく行っていた時期です。ルーティンをこなしていくことで利益が出て、自分で経営をしなくても、オペレーションだけで会社が回っているという状況になっていて、収益も十分にある状態でした。若くても大きな会社を経営できると思っていたのですが、今振り返ると井の中の蛙でした。この時はビジネスが全然面白くなくて、私自身の成長は止まってるなと感じました。脳みそがうまく機能していない日々が続きました。

 私が思っているのは、人間の認識は全然あてにならないということです。例えば、現状を認識して、「このままいくとこういうスキルが身に付く」と山のてっぺんのほうを見ながら、限界がてっぺんにあると人間は錯覚するんですが、時間が経過すると人間の認識は変わるんですよね。今の認識から一年後の認識は当然変わるので、一年後には今の時点で、「出来たらいいな」と思っていたことは余裕でできるようになっていて、自分が出来ないと思っていた領域に関しても、出来るようになっています。だから、将来の認識はアップデートされるということを考慮に入れた上で、今すべきことを決めなければなりません。

 そう考えると、できないだろうと思っているラインは自分が目指すべき本当の限界であって、できるだろうと感じていることは、一年後には余裕を持ってできることなので、「できること」を目標に設定してしまうと、人生はなかなか面白くならない状況になってしまうでしょう。

 つまり、現在自分が出来そうなことの中で本当にできないことはないんです。本当に出来ないことというのは、自分が想像もできないことだと言えるでしょう。逆に言うと、やろうと考えていることや面白いんじゃないかと感じている時点で、全てのことは実現できます。例えば私はクローン人間のビジネスをしようとは思わないです。これは多分できないことなんです。ただこれが、投資家だったり、イーロン・マスク(電気自動車の開発や宇宙開発に取り組む実業家)だったら、もしかしたら出来るかもしれない。これは認識の差なんですよ。出来るのか出来ないのかについてはあまり考える必要はなくて、思い浮かんでいることというのは、まずやるべきだと思います。

 あと、人間というのは、必要性に迫られるとすごく成長します。難しい課題に頭をひねって工夫するから脳みそが進化するのであって、簡単で自分ができそうなことを繰り返していくと、脳みそが腐っていきます。私はよくこれを「脳みそがさびる」と表現するんですけど、年齢とは関係なく、一見出来なさそうなことをやっている人は、ものすごく頭の回転が速い。一方で、自分が出来そうなことを繰り返していると、たとえ若くても脳みそがさびているのがわかります。なので、私自身も脳みそが極力さびないように、自分が出来なさそうなことを繰り返すようにしています。周囲には、「困難そうに見えますが大丈夫ですか?」と言われるんですけども、まだ周囲に「大丈夫ですか?」と言われているうちは自分が新しいことをやりたいと考えています。逆に、周りから認められて、「素晴らしいですね」と言われるようになったら、逆に危機感を持たなければならないと決めています。

「こだわりや執着」が最終的な起業の成否を左右する

 起業する前に経営者の方に聞きたかったのは、「夢やビジョンは本当に必要なのか」ということでした。当時、何回か経営者の方に尋ねたのですが、「必要だよ」という話しかしてもらえませんでした。ただ、私は当時、明確なビジョンやミッションを持っていなかったのです。どちらかと言うと、生きることに必死でした。毎日、どうやって生きてくかに必死だったので、夢について考える余裕がなかったですね。でも、最終的にはスキル、そして夢やビジョン、ミッションを持てるかどうかが起業の成否に関わると思います。

 なぜ、夢やビジョンが大事なのかというと、こだわりや執着できることを見つけることがすごく重要だからです。自分が今まで努力していて、周りからも「お前、なんでそんなことやってんだ」と言われても、「俺はこれがやりたいんだ」というふうに言えるのかが重要になります。自分がやりたい理由をどんどん深堀りしていくと、自分のことがわかってきます。執着には損得を超える力があるんです。例えば、ペンのキャップがどうしても赤色じゃないといけないというこだわりを持つ人がいるとしたら、みんな「赤色にしてくれ」と言うと思うんです。ペンのキャップが赤色なのかどうかは、皆さんにとってどうでもいいことでしょう。でも、こだわりがある人にとってはキャップが赤色である理由があって、どうしてもキャップは赤色じゃないといけないという人がいるかもしれない。こだわりがある人がいる場合には、それは赤でいいんじゃないかと思いますよね。こだわりや執着を持つものでも、周りの人はそこまで執着していないので、「そこまで言うんだったら協力してあげるよ」とか「それでいいんじゃないの?」と言ってくれる。逆に言えば、こだわりや執着を持っていると、自分の意思というのは通しやすいんです。儲かるかどうか、人に認められるかどうかとは関係なく、こだわりは人やお金を惹き付けます。

 最終的に事業がスケールするかに関しては、お金をどれくらい持っているのかが関係します。私の同世代でも40人ぐらい起業仲間がいましたが、今も起業家として活動している人は4名ぐらいしかいません。彼らも初期の段階では、ミッションやビジョンを持っていなかったのですが、3年ぐらい経った段階で自分が何をしたいのかを考えたからこそ、会社が今でも残ってるんだろうと考えています。

 テクニックやノウハウは、他人から借りてくることができます。プログラミングや営業、プレゼンのスキルがたとえあっても、上には上がいるでしょう。経営者自身が得意なことと会社の成長はあまり関係がなく、むしろこだわりや執着をどこまで持てるのか、それが最終的な経営の規模になってくるのかもしれません。

 突き詰めていくと、夢やビジョンというのは、結局は執着の進化系でしかありません。何かに傷付けられたり、コンプレックスを持っていても、「俺はどうしてもやりたい」と思っている人達が、夢やビジョン、使命を持って、世の中を変えていくんです。なので、とことん自分が執着するものを突き詰めていくと、課題が社会全体に広がっていき、最終的に夢やビジョンと繋がるので、最初から夢やビジョンを持つ必要はないというのが私の結論です。

 他社がどのようなビジョンを掲げているのか、夢やミッションを持ってるかというのはあまり気にせず、まずは自分の中のこだわりや執着、そしてコンプレックスや過去の傷を探ってみましょう。あとは探ったものをとことん突き詰めていき、ビジョンやミッションに出来れば、それでOKです。私が考える「起業に向かない人」は、何でも器用にこなして、何に対しても執着が持てず、コンプレックスもない人達のことです。一方で、コミュニケーションが下手でプログラミングが出来なくても、何かに執着できる人は、私は必ず成功できると思っています。

 突き詰めていくと、こういった成長や執着は掛け算のようになっていて、最終的に全ての成長や執着は一つになっていきます。まずは、出来る限り早く、自分に出来ないことに挑戦をして工夫をすること。そのなかで、失敗して挫折して、さらには傷ついて視野を広げることが起業に結びつきます。

 成長するプロセスの中で、自分が何者なのか考え、何に執着を持ってるかということを気にすること、常に忘れないことが重要です。最終的に自分が何者であるのかということと執着がくっついていくと、会社をドライブさせていく原動力になります。最初のうちはあまり難しいことを考えずに、自分のこだわりと自分にできないことを意識してやっていけばいいと思います。

 ありがとうございました。

(以下、質疑応答)

Q:
佐藤さんが1番執着を持ったと感じた時はいつでしょうか?

佐藤:
私はお金に対して執着しています。例えば、東南アジアにある貧しい家庭の子どもが、ハーバード大学に行く確率はほとんどありません。一方で、アメリカの裕福な子どもは、高校時代・大学時代からいろいろな機会に触れているので、かなりの確率で起業家として成功します。たとえ起業に失敗したとしても、大企業に就職できて安泰だと考えると、人間は生まれた瞬間から、家の環境によって失敗と成功が決定されてしまうのではないかと疑問を持ったことが一番強いですね。私自身も貧しい環境で育ったので、そもそもお金はなぜ存在するのかと考えることもありました。お金よりももっといい手段はないのかと疑問に思ったことが、今の事業にも生きてます。

Q:
起業した場合、夢やビジョンに共感して人が集まると思います。もし、自分の執着が人に共感されないようなものだった場合はどうしたらいいのでしょうか?

佐藤:
執着が共感されないことは十分あり得ますよね。執着が時代とマッチした場合、巨大な企業や国を作ることができるでしょう。しかし、自分の執着が時代のニーズに合わず、周りから共感されなくても、それはそれでOKだと言いきれるものを探した方がいいと思います。

日本独有の「協調性」とサイエンス寄りの考えが起業家には必要

Q:
世界から見た、現在の日本人が持つ「強み」にはどういうものがあると思いますか?

佐藤:
先週、中国に行く機会があったんですが、中国は人がすごく多いので、80人ぐらいが1つのクラスに所属しています。幼稚園でも、飴玉は人数分用意されていないので、手を挙げて主張して自分から取りに行かないといけない。中国の教育の仕方では、競争や自分が生き残ることが一番重要とされます。一方、日本は資源がいっぱいあって、全員分の飴がきちんと用意されているので、お互いの協調性は強みになり得るかもしれません。丁寧さや高いクオリティを求めるところは、世界的に見ても日本は独特で強みでもありますし、一方で弱みでもあります。いかに協調性や細やかさを生かせるかが重要になるでしょう。

Q:
起業されてから今までの一番の失敗談を教えて下さい。

佐藤:
私は今も失敗しまくっています。私は、世の中で一番失敗した人間になりたいなと思っています。その中でも一番キツかった時期は2011年ぐらいです。その頃はちょうどフィーチャーフォンからスマートフォンに移行するタイミングでした。当時の日本ではまだガラケーが優勢の時代でしたが、世界的に見るとスマートフォンがシェアを獲得しており、日本とはギャップがあったんです。スマートフォンのビジネスをやろうと思ったとき、当時はまだ日本内のシェアは数10%しかないデバイスでした。シェアがほとんどないデバイスを担いでビジネスをしていくことになりました。スマートフォンが世界の中心になるという話をしても、当然誰も信用しないわけで、「ほら吹きじゃないか」「詐欺の片棒を担がされるんじゃないか」と疑われることもありました。あとは投資家にプレゼンしても、「何言ってるんだ、お前」と言われ、最終的にはソーシャルゲームを作ろうという話になりました。私は否定されるたびに繰り返し説明しました。普通、資金の融資は3か月や半年で決着がつくのですが、その時期は1年半かかることもありました。その時期はすごくつらかったですし、あとは何よりも、社員からも不信感を持たれることが一番きつかったですね。周りの人たちからはどう言われてもあまり気にならないのですが、自分の仲間である社員が、「本当に社長が言ってることは正しいのか?間違ってるんじゃないか?」という風に疑問を思い始めていると気付きました。でも今考えてみると、みんなが「スマートフォンは普及しない」と思ってくれたからこそ、自分達でチャンスを掴めたんです。なので、教訓としては、自分たちのやっていることが周りから首を傾げられるようだったら、チャンスが十分あるということでしょうか。一方で、「これをやりたい」と話をして周りから「いいね」と言われたら、ちょっとこれはやめようと、社内では話しています。

Q:
もし日本のスタートアップからGoogleのような大企業が出てくるとしたら、必要なものと足りないものは何でしょうか?。

佐藤:
シリコンバレーが強くて、日本やアジアの企業が世界で勝てない理由は、たくさんあります。まずファウンダーが違うことが大きな理由でしょうか。シリコンバレーでは、ファウンダーがビジネスを専門にしている人ではないです。日本では、これが儲かりそうで次はこの波が来そうだということで経営の舵を切るじゃないですか。でも、シリコンバレーのファウンダーたち、特にものすごく大きい企業を短期間で作った人は、ビジネスの考え方が科学者に似ています。コンピューターや社会はこういうものだから、数千年単位で考えていくと、世の中はこう変わっていくという結論ありきでビジネスをしている人が多いです。シリコンバレーの起業家はビジネスをしたいのではなくて、発明をしたい、何かを作りたいと考えているので、実は仕方なくビジネスをしているということもあります。本当はビジネスが好きじゃなくて、自分の好きなものや、やりたいことをとことんやっていたいんだけど、お金が必要だから仕方なくビジネスをやっているんです。サイエンス寄りの起業家は、圧倒的にアジアでは少ない存在です。一方、シリコンバレーは、サイエンス寄りの起業家が多くいて、資金の提供やマネジメントをビジネスのスペシャリストが行うなど、役割分担が出来ています。アジアだと、社長がテクノロジーから経営まですべて見なければならないのですが、シリコンバレーでは役割分担が出来てるということが理由として挙げられるでしょう。

Startup Boarding Gateとは

「Startup Boarding Gate」とは、起業を目指す学生が持つ「ものづくりへの想い」をカタチにするプログラムです。Startup Boarding Gateの目的は、「これまでの世の中にない価値を若者の手で生み出す」こと。ドリコムではStartup Boarding Gateを通じてイノヴェイションを起こす起業家の育成・支援を行っています。

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【全文】革命を起こすなら「ナウイスト」になれ――実業家 伊藤穰一が語る、これからのイノベーター

 インターネットをはじめとする技術の進歩は、多くの人にチャンスを与えました。昔と違って、今やだれでもイノベーターになれるのです。しかし、それは裏を返せば競争相手が無限に増えたことにもなります。そんな中で自分だけの世界を作り上げるためには、どんな力を持てば良いのでしょうか?多くのIT企業を立ち上げた日本有数の実業家、伊藤穰一氏が自身の経験を基に「これからのイノベーター」を語ります。

スピーカー

伊藤穰一氏 / MITメディアラボ所長 実業家

見出し一覧

・東日本大震災――報道は私の欲しい情報を一つもくれなかった
・素人が素晴らしい組織を作れたのはネットがあったから
・現代のイノベーションは「広めるか死か」
・拡大し続けるイノベーション
・イノベーションを起こすために持ちたい「引き出す力」
・地図を描くな。「ナウイスト」になろう

動画

東日本大震災――報道は私の欲しい情報を一つもくれなかった

 2011年3月10日、私はケンブリッジにあるMITメディアラボで私が次期所長になるべきか相談していました。その真夜中に、日本の太平洋沖でマグニチュード9の地震が起きたのです。妻や家族を日本に残してきた私は、そのニュースを聞いてものすごく動揺しました。

 それからしばらく、私は政府関係者や東京電力の記者会見に釘付けになりました。そして放射性物質の雲が、原子炉からたった200キロしか離れていない我が家の方へ広がっている事を知ったのです。

 しかし、テレビは私たちが最も知りたいことを何一つ伝えていませんでした。原子炉で何が起きているのか、放射線はどうなっているか、家族に危険はないのか…。私が知りたかったのはそういったことでした。

 そこで私は直感的に思いました。「インターネットを使って自分の力で解決すべきではないか?」と。ネットには私と同じように状況を知りたい人が大勢いました。そこで彼らとゆるやかな組織を作ったのです。「セーフキャスト」という放射線量の測定やそのデータを公開する組織です。政府がこれらの行動をしてくれるとは思えませんでした。

 3年後の今では測定地点は1,600万か所に上り、ガイガーカウンターも自前で設計しています。さらに、誰でも図面をダウンロードしてネットワークに参加可能です。日本のほぼ全域と世界各地の放射線量が見られるアプリだってあります。おそらくこれは、世界でも最も成功した市民主体の科学プロジェクトです。放射線測定データに関しては、世界最大級のものがそろっています。

素人が素晴らしい組織を作れたのはネットがあったから

 ここで気になるのは、素人集団にすぎない私たちがどうやってNGOや政府にすらできなかったことを成し遂げられたのかということです。私たちは、自分たちが何をやっていたのか自分でもよく分かっていなかったのです。

 私は、そのカギはインターネットにあると思います。これはまぐれではありません。運が良かったわけでもないし、もちろん私たちが特別だったわけでもありません。皆を1つにまとめた災害がきっかけにはなりましたが、これはインターネットなどのおかげで可能になった新しい方法の産物なのです。この新たな原理についてお話ししたいと思います。

 みなさんはインターネットがまだなかった頃を覚えていますか?これを「ネット前」と呼びましょう。ネット前では物事はシンプルでした。すべてがユークリッド幾何学的、ニュートン力学的でそれなりに予測可能でした。みんなが未来を予測しようとしていたのです。経済学者ですらそうでした。

 その後インターネットが登場し、世界は極めて複雑になりました。低コスト・高速化が一気に加速し、私たちがこれまで信奉してきたニュートンの法則は万能ではないことが明らかになったのです。そこで私は、この予測不能な世界でうまくやっている人のほとんどが今までとは違う原理に従っていることに気づきました。

 少し説明しましょう。インターネット以前はサービスを立ち上げる場合、ハードウェア・レイヤーとネットワーク・レイヤーとソフトを作っていました。何かちゃんとしたものを作ろうと思ったら、その費用は何百万ドルにも上ります。何百万ドルもかかる大事業を始めるにはMBAを持った人を雇って計画を立てて、投資会社や大企業から資金を集めて、デザイナーと技術者に製品を作らせないといけないのです。

 これがインターネット以前「ネット前」のイノベーションモデルです。ところがネットの出現でイノベーションの仕組みは一変しました。共同作業や流通コミュニケーション、ムーアの法則が新事業の立ち上げコストをほぼゼロにしました。

 Google、Facebook、Yahoo…どれも学生が自主的にイノベーションを進めた結果です。誰かの許可もプレゼンも必要ありません。まずモノを作って、それから資金を集めやビジネスプランを用意して、必要になったらMBA取得者を雇えばいいのです。少なくともソフトとサービスの分野では、MBA主導のイノベーションモデルはデザイナーと技術者の主導に移行したのです。

現代のイノベーションは「広めるか死か」

 インターネットによって、力と金と権威があっても小回りがきかない既存の大組織はイノベーションの主役ではなくなりました。今やイノベーションを起こすのは学生寮や起業家です。みなさんも実感されているのではないでしょうか。しかし、それだけではありません。イノベーションの変化は別の場所でも起きています。

 例を挙げましょう。メディアラボで扱うのはハードだけではありません。生物学もハードも扱っています。そんなメディアラボの創設者、ニコラス・ネグロポンテの有名なモットーは「実演か死か」です。「論文を出すか去るか」という旧来の学問の思考法とはまったく違います。彼はよく言っていました。「デモは一度成功すればいい。一度インパクトを与えれば、私たちに刺激を受けた大企業がKindleやレゴマインドストームのような製品を作ってくれる」と。

 しかし、製品をこれほど安価に世界に広められるようになった今、私はモットーを変えたいと思います。これは公式声明です。「広めるか死か」これが新たなモットーです。

 製品が重要な役割を持つためには、世界中に知ってもらう必要があります。大企業が主体になることもありますが、そのようなケースは多くないでしょう。ネグロポンテの人工衛星の話のように自分で始めるのが正解なのです。大きな組織がやってくれるのを待っていてはいけません。

 そこで私たちは、去年大勢の学生を深圳の工場に派遣し、イノベーターと交流させました。これは本当に素晴らしかった。工作機械はそこにありましたが、試作品もプレゼンもありません。彼らは工作機械の上で直に新たなものを生み出していたのです。

 工場にデザイナーはいますが、デザイナーの中にも工場があるような感じです。近くの露店を覗いてみると、こういった独自の携帯電話が見つかります。パロアルトの若者ならウェブサイトを立ち上げますが、深圳の若者は新しい携帯電話を作るのです。ウェブサイトを作るような手軽さで携帯電話を作っていて、そのイノベーションはジャングルのように広がっています。深圳の若者は携帯電話をいくつか作って露店で売り、他の連中が作った製品を見たらそれを参考にもう2千台ほど作って売りに行くのです。

 これはソフト開発と似ていませんか?まるでアジャイル開発やA/Bテスト、イテレーション(編集者注:短いサイクルで反復して開発を行うこと)のようです。ソフトでしかできないと思われていたことを、彼らはハードでやっているのです。

拡大し続けるイノベーション

 だから私は、次のフェローには革新的な深圳の人を選びたいと考えています。イノベーションは次々と広がっているのです。3Dプリンターがよく話題に上がりますが、MITの卒業生であるリモアのお気に入りはサムスンテックウィン製のピック&プレース・マシンです。

 この機械は1時間に2万3千個の部品を電子基板に配置できます。言うなれば箱に入ったミニ工場です。以前は工場で大勢の労働者が手作業でやっていたことを、今はニューヨークにある小さな箱の中で行えます。わざわざ深圳まで行かなくても、この箱を買うだけで簡単に製造ができるのです

 イノベーションは非常に安価になりました。これからはさらに多くのイノベーションを学生や起業家が行うでしょう。ソフトウェアにとどまらない、幅広いジャンルでの技術革新が起きるのです。

 「ソロナ」はデュポン社が開発したプロセスで、遺伝子操作した微生物によってトウモロコシの糖からポリエステルを作ります。これは化石燃料から作るより3割も効率がよく、環境にもずっとやさしいのです。

 遺伝子工学や生体工学のおかげで化学や計算や記憶素子の領域に変化が起きようとしています。医療の可能性も広がるでしょう。もう少しすれば椅子や建物だって育てられるようになるかもしれません。

 ただ問題はソロナの開発には約4億ドルかかり、完成まで7年もかかった点です。まるでメインフレームの時代のようです。ただ、生体工学でもイノベーションのコストは下がっています。デスクトップDNAシーケンサーのおかげで、莫大な費用がかかったDNAの読み取りが学生寮の机の上で手軽にできるようになったのです。

 これはGen9社のゲノムアセンブラです。これまでの遺伝子のプリントは人間がスポイトを使って配列しないといけなかったため、塩基対100個につき1つはエラーが起こっていました。長い時間と巨額の費用も必要です。
 
 しかし、この新しい装置ならチップ上で遺伝子を配列できるので、エラーは塩基対100個どころか1万個に1つです。この装置は、世界で1年に合成されている遺伝子の量に相当する2億の塩基対を合成できます。トランジスタラジオの製造が手作業からPentiumプロセッサへと移行したくらいの革命です。この装置は生体工学界のPentiumとなり、多くの人を生体工学の道に引き入れるでしょう。

イノベーションを起こすために持ちたい「引き出す力」

 最早今までのイノベーションの概念は通用しません。これはボトム・アップであり、民主的であり、さらには混沌としているため制御するのは困難です。これまで私たちが培ってきた組織のルールは何の役にも立たないのです。

 そこでは誰もが別の原則に従って活動しています。私が気に入っている原則の1つは「引き出す力」です。これは必要になった時にネットワークからリソースを引き出す考え方で、リソースを1か所でコントロールするのとは正反対です。

 セーフキャストについていえば、震災が起きた時には私は何も知りませんでした。しかし、ハッカースペースの運営者であるショーンや最初のガイガーカウンターを作ってくれたハッカーのピーター、スリーマイル島原発がメルトダウンした時にモニタリング・システムを作ったダンを見つけることができました。震災前だったら見つけることはできなかったでしょう。この原則は、必要な時に欲しい情報が引き出せるのです。

地図を描くな。「ナウイスト」になろう

 私は大学を3度も中退しているので、「教育より学び」という考え方が深く心に刻まれています。私にとって教育とは与えてもらうもので、学びとは自分でするものです。偏見かもしれませんが、教育は外に出る前に百科事典を暗記させようとしているように見えます。

 しかし、今や携帯にはWikipediaがあります。教育ではどこかの山で1人、HBの鉛筆1本だけで問題解決することが前提とされているようですが、実際には私たちは常につながっています。いつでも仲間と連絡が取れて、必要ならWikipediaで調べることもできるのです。

 学ばなければならないのは学び方なのです。セーフキャストを3年前に始めた頃、私たちは素人の集団に過ぎませんでした。でもおそらく今では、データの収集と公開市民による科学の推進についてどこよりも豊富なノウハウを持っているでしょう。

 そして「地図よりコンパス」という原理。これは具体的な計画ではなく、計画の方向性だけを決めるのです。だからセーフキャストでは、データを集めて公開したいという想いだけを統一して、綿密な計画は立てませんでした。

 当初の考えの流れは「ガイガーカウンターを入手しよう」「売り切れだ」「じゃあ作ろう」「センサーが足りない」「でも携帯用ならできそうだ」「車で測定して回ろう」「ボランティアを募ろう」「資金不足だ」「Kickstarterで集めよう」というようなものでした。最初から細かい計画を立てても、すべてを実現することはできません。しかし強力なコンパスを持つことで目指すべき方向がわかりました。これはアジャイル開発によく似ています。

 コンパスという考え方は重要です。幸運なことに、どんなに世界が複雑でもやるべきことは単純なのです。すべてを計画し、すべてを揃えなければ、などと考えるのはそろそろやめにしましょう。つながることに力を注ぎ、常に学び続けアンテナを高くする。一言でいえば「今」に集中すべきです。だから私は「フューチャリスト」という言葉は嫌いです。私たちは「ナウイスト」になるべきなんです。今の私たちがそうであるように。どうもありがとう。(拍手)

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【MOVIDA JAPAN Demo Day 5th】今年も大注目のスタートアップ13社が集結!

(写真:MOVIDAJAPAN株式会社 代表取締役 孫 泰蔵氏)

 「新しい可能性」を提供するスタートアップが集結するMOVIDA JAPAN DemoDay5thが行われた。今回は5回目ともあり、ピッチイベントには13社のスタートアップ企業が登壇した。

MOVIDA JAPAN DemoDay 5th ピッチ企業一覧(登壇者順)

1, Eigooo株式会社

2, 株式会社トランスリミット

3, 株式会社IkkyoTechnology

4, 株式会社coco

5, サウンド・フォージ株式会社

6, 株式会社Sttir

7, 株式会社3.0

8, 株式会社Oden

9, 株式会社Combinator

10, 株式会社Rising Asia

11, ロケットベンチャー株式会社

12, 株式会社マスカチ

13, ALTR THINK株式会社

1, Eigooo株式会社「Eigooo!」


登壇者:Peter Rothenberg氏

 自身がチャットやメールで日本語を学んだ経験から、日本人にももっと気軽に英語が勉強出来るようになって欲しいという思いから出来たサービスが「Eigooo!」である。声が出せない通勤や休み時間でも、スマートフォンがあれば先生とのチャットで簡単に英語を学ぶことが出来る。

 Eigoo!の特徴は「予約なし」で「リアルタイム添削」が出来、添削されたチャットは「保存して復習」することが出来る点だ。これにより既存の予約が必要な英語勉強サービスよりもリアルで簡単な英語学習を可能にする。

 マネタイズ面では初回の利用無料(メッセージ回数などに一部制限あり)から定着したユーザーに対して課金制度を設けていくモデルだ。

 今後は競合との差別化、ユーザーのサービス利用継続性を伸ばしつつ、海外経験があるグローバルなメンバーと、5年後のIPOと売上60億円を目指していく予定。

2, 株式会社トランスリミット「Brain wars」


登壇者:高場 大樹氏

 「脳は毎日低下する。」ことから脳力UPに着目したアプリが「Brain wars」だ。

 使い方も非常にシンプルで、オンライン上でバトルの申請を行いマッチングをすると、相手とゲームで対戦が出来る。またオフラインのユーザーに対しても過去の対戦記録をもとに挑戦し対戦することが出来る。

 Brain warsの強みは年齢や国境を超えて多くのユーザーが脳トレを通じて楽しむことが出来る点にある。また楽しみながら脳トレを行い、結果的に能力を高めることが出来るのだ。脳力を鍛えるという点では6つの指標を可視化し、自動的に記録がつくため自分の成長を都度確認することが出来る。

 近日2万ダウンロードを突破する見込みで、現在15カ国以上でのダウンロードがされているそうだ。1日1万バトル、ピーク時には100人のユーザーが同時に対戦を行なっている。今月サービスをリリースしたが、特にソーシャルメディアでの拡散の声が高くTwitterやFacebookをはじめ、実際の対戦の様子を撮影したyoutubeでの動画は8万回再生にのぼった。

 今後のビジネスモデルとしては現在無料でのプレーを追加プレーにより課金を行なっていく。年間500万ダウンロード、世界展開を目指すとの事だ。

3, 株式会社Ikkyo Technology「Categorific」

登壇者:横川 毅氏

 活かしきれない画像やコンテンツの活用を加速しようというところから、最先端のコンピュータービジョン技術をクラウド上で提供するサービス「Categorific」。企業が保持している画像やコンテンツを活かしきれず有効活用出来ていない部分を、Categorificを導入することにより類似画像やコンテンツを、レコメンドしてユーザーの発見率などを促進することが出来るBtoBサービスだ。

 Categorificの強みは画像認識技術を駆使して類似データを近くにまとめることが簡単に出来る点である。また、商品羅列になっていたようなサービス販売ページも、類似データを自動的に検出しユーザーに届けることが出来るなどUXの改善が大きく期待出来る。ちなみに、現在では半年間で1000万枚以上の画像を取り扱っている。

 ビジネスモデルもコンバージョン数に対して課金をするというモデルをとり、今まで自社データを活かしきれていなかった企業に導入を行いやすくしている。今後は1年間で1兆枚撮られるというスマートフォンでの画像コンテンツの活用にも目を向けてマネタイズを考えていくそうだ。

4, 株式会社coco「graph」


登壇者:高橋 俊介氏

 メディアやブログでのコンテンツ作成での、統計利用を簡単・キレイに行えるのが「graph」だ。今まで探すのに手間がかかっていた統計情報を検索し、コンテンツ内に貼り付けることにより自分ので情報検索を行い、利用するよりも工数を削減し簡単に利用することが出来る。

 統計情報は年間で1億回検索されておりブログの作成者などが統計情報や客観的な事実をかなり使っていることに着目し、先行登録では2週間で約1000名のユーザーを獲得している。

 今後はデータの精査精度や見やすさ、地図やデザインを使った見やすいデータのビジュアルから競合との差別化をはかっていく。さらにブログやSNS、メディアに対して10億pvを目標としマネタイズを実現すとのことだ。

5, サウンド・フォージ株式会社「PedalForge」


登壇者:中村貴一氏

 楽器の販売市場は現在1兆100億円、年々インターネットからの楽器購入も増えている。楽器を購入する人は楽器に対しての情報を得て、実際に楽器を選び購入していく中で、インターネットでの楽器購入では実際のリアルな楽器の音が確認出来ないため楽器を「選ぶ」ことが難しい。

 その楽器なのに聞けないというユーザーのもどかしさの解決に着目したのが、音楽機材の試聴サイト「PedalForge」だ。

 活字や動画での情報と違い、実際に楽器屋に行って演奏をしているかのように楽器の微調整を調節したり、しながら音の変化を試すことが出来る。また音楽という英語・日本語・フランス語での展開となっている。

 6月中旬にリリース予定で、ギターのみ試聴可能となっているが今後は著名人や協力会社へのアプローチを行いつつ、他の楽器にも展開をしていくとのことだ。

6, 株式会社 Sttir「Sttir」


登壇者:塚原 涼氏

 ミュージシャンのためのGitHubを目指すのが「Sttir」。音楽の作曲活動におけるRemixをより簡単なものにするため、Remix素材の共有を行なっていく。従来ではRemixをしようとしても素材探しに直接作曲者とやりとりや交渉を行い、素材を集めなければならずハードルが高いものとなっていた。Sttirではユーザーが一般公開している楽曲を自由に使用することが出来る。

 Git hubのようなストレージやプライベートモードなどの機能も今後実装していく予定とのこと。

 音楽に関連性が高いメンバーと共に6月末日リリースを予定しており、作った楽曲をもとにしたSNS的な展開や音楽スクール、作曲ソフトウェアとの事業提携を行なっていくそうだ。

7, 株式会社3.0「LIVE3」


登壇者:手島 恭平氏

 今日何する?を解決するのが今夜の予定を探すためのアプリ「LIVE3」だ。LIVE3上にある1日10件の厳選されたイベントの中からユーザーはお気に入りのイベントに参加することが出来る。グルメやアウトドア、レジャーやなどイベントの内容も様々だ。特に音楽を絡めたイベントが人気だそう。

 イベント主催者側も売れ残ったチケットをユーザーに格安で提供出来る。チケット購入の際面倒な手続き等は必要なくイベントに参加することが出来るのが便利なところだ。

 リリース2ヶ月でイベントチケットの平均購入単価は約2200円、マネタイズとしては現在無料の決済手数料を将来的に10%の課金、今後は10万DL、ユーザー50万人、DAU5万人を目指していく。

8, 株式会社Oden「ムビロビ」

登壇者:中村 圭佐氏

 コンテンツ×コミュニケーションの相乗効果に着目し、劇場での可能性を拡張するサービス「ムビロビ」。「映画館×ソーシャル」を軸に同じ映画を観る人と楽しみや期待感を共有することが出来る。

 ムビロビ上で日にち、場所やメッセージからなるボードを作成し、共通の趣味趣向の人と繋がることで,、ただ映画に行くときの楽しみよりも人に共有することで何倍にも楽しさを広げることが出来る。また映画に関するイベントなどの提案なども可能になる予定だ。

 ムビロビは7月上旬のリリースを予定している。同じ趣味を持ち、その話題でコミュニケーションをとっていくことでの他では味わえない満足感をユーザーに提供することにより、今後のユーザー増加を目指す。

9, 株式会社Combinator「Combinator」


登壇者:清水 巧氏

Combinator」はスタートアップ向けの仲間集めプラットフォームである。仲間集めをしたい人がプロジェクトへの募集を行い、プロジェクトに興味を持った人とマッチング出来る。

 プロジェクト単位で仲間を集めることが出来るため転職を考えていなかった人材に対してもアプローチ出来るところが強みだ。実際にα版を3月末に公開し、2ヶ月で11件の仲間集めに成功している。また自社の仲間もCombinatorのマッチングにより集まったメンバーとのこと。

 今後としては現状2000ユーザーから10万ユーザー、メディアへの露出やより多くのインフルエンサーの登録を促進しプロジェクトリクルーティングの導線を作っていくそうだ。

10, 株式会社Rising Asia「たびのたつじん」


登壇者:三木 健司氏

 本日リリースされた「たびのたつじん」。海外在住の日本人がガイドをしてくれるマッチングサービスだ。このサービスにより海外旅行へ行く際の言葉の不安や文化の違いに対する不安をなくしてくれる

 ユーザーはサイト上に表示されている海外現地の日本人「旅の達人」が作成したツアーの中から気に入ったものに参加出来る。実際、リリース前にはフィリピンの船上バーベキューツアーに20人が参加した。

 たびのたつじんの特徴は、現地に慣れた日本人ガイドで慣れない海外でも言葉の壁を気にすることなく安心して旅行を満喫出来る点にある。安全面に関しても現地ガイドの旅の達人はスカイプ面接などを通過したメンバーのみなので、安心してガイドを任せることが出来るのだ。さらにツアーの価格面でも代理店を通していないため仲介手数料がかからずの約40%の値段で充実したツアーを届けられるところが強みだ。

 現地ガイドは現在12都市、150人にのぼり、今後は180都市1500人を目標に更に多くの国の旅の達人を増やしていく予定だという。

11, ロケットベンチャー株式会社「4meee!」


登壇者:坂梨 亜里咲氏

 女の子のもっと可愛くなりたいを叶える投稿型トレンドメディア「4meee!」。4コマで簡単にユーザーが可愛い!と思った情報を投稿することが出来る。ユーザーはスマートフォンやPCのフォトライブラリや画像検索から写真を選択しコメントを入れるだけで投稿が可能だ。

 既存の女性向けネット情報やまとめサイトからさらに簡単で見やすいにコンセプトを絞ったサービスとなっている。またリアルなトレンド情報に目を向けていることから読者モデルや身近なユーザーといったところに焦点をあて、転載などは行わずすべてをオリジナル記事で作成している。

 現在では1000記事100万pvを突破し、ユーザーのリピート率は40%程度だそうだ。

 今後は純広告やタイアップ記事、アフィリエイトなどを強化しマネタイズも行なっていく予定だという。

12, 株式会社マスカチ「aorb」


登壇者:池田 純平氏

 着ていく服や購入するもの、選択が多い毎日を楽しくしてくれるのが「aorb」だ。aorbでは写真を使った2択の質問を、投稿することによってオンライン上で相談をすることができる。反応が欲しいものに対して気軽に多くのユーザーから多数決をとることが出来るのだ。

 現在では月200%成長し、相談に対する回答率は100%だという。平均回答数も70回答となっており、Appstoreのエンターテイメント部門では人気作品に3ヶ月連続掲載されている。

 今後の展開としては事業提携での露出を増やしつつ、海外展開や自分の知人だけに回答を求められるプライベートモードなどでユーザーの定着をはかっていく予定。

13, ALTR THINK株式会社「暇スイッチ」


登壇者:森口 拓也氏

 ALTR THINK株式会社がリリースしたのが暇な時に暇な人と繋がって遊べるSNSアプリ「暇スイッチ」だ。暇スイッチを押すと「今暇な人」をアプリ上から探すことが出来る。さらにコンタクトを取りメッセージのやり取りや簡単なゲームでコミュニケーションをとることが出来るのだ。

 現在は6万DL、総チャット回数は200万件を突破している。多い人では1日10回以上起動し100回のチャットのやり取りを行なっているそう。

 初日に20回以上チャットをやり取りした人は82%の定着率となっていることから、ユーザーがより満足するようなコンテンツ作りを現在行なっている。



MOVIDA JAPAN代表取締役 孫泰蔵氏より

 スタートアップならば日本という環境を作っていけたらという思いでMOVIDA JAPANをはじめました。何もない環境から作って「0を1にする」というのは本当に大変なことで、何かミラクルを起こさなければならないのです。そんな中サポートして下さる人がいてはじめて「ミラクル」がおき、0から1になる。1つの出会いがミラクルをおこす、そういう手を差し伸べる環境にしたいです。


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