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【政治】

9条俳句でさいたま市教委 「公民館判断」変えず

 「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」と詠んだ女性市民(73)の俳句について、さいたま市大宮区の三橋(みはし)公民館が月報への掲載を拒否した問題で、市教育委員会の稲葉康久教育長は二十四日、掲載基準の作成方針を撤回する考えを表明した。一方で、市教委職員の公民館長が掲載の是非を最終判断するとの姿勢は変えておらず、「それがおかしいと気付くべきだ」との声が出ている。 (岡本太)

 市教委は七月、「世論を二分するテーマの作品は月報にふさわしくない」として、掲載基準をつくる方針を示した。だが、多くの市民や識者から「世論を二分しているかどうか、客観的な判断は不可能」「行政側が掲載か不掲載を決めれば言葉狩りになる」と批判が強まっていた。

 この日の定例記者会見で、稲葉教育長は「(世論を二分する)語句をいちいち指定すれば言葉狩りになってしまう」と基準作成には問題があると認めた。一方で「世論を二分するようなものは載せるべきではないという考えは崩していない」と強調。

 公民館長が掲載には問題があると判断した作品は、公民館の利用者らでつくる地域連絡協議会などから意見を聞き、館長があらためて最終判断するのが望ましいと述べた。

 俳句の掲載を求めている団体職員の武内暁(さとる)さん(66)は「基準作成の断念は当然で評価できるが、世論を二分する作品を排除しようという根本は変わっていない。そもそも公民館として掲載を判断することが、おかしいと気付くべきだ」と話した。

 

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