「チンする」9割に浸透=慣用句は誤用が増加―国語に関する世論調査・文化庁
時事通信 9月24日(水)17時8分配信
電子レンジで加熱することを「チンする」という人は9割以上。名詞や擬音に「る」や「する」を付けて動詞にする言い回しが広い世代に浸透していることが24日、文化庁の2013年度「国語に関する世論調査」で分かった。同庁は「効率化や語感の面白みなどに対応できる日本語の多様性や造語力を示す用法。通じない世代もあり、場面ごとに使い分けてほしい」としている。
3月に調査し、16歳以上の男女2028人から回答を得た。定着した語や新語から10の言い回しを選び、認知や使用の度合いを尋ねたところ、「チンする」は90.4%、「サボる(怠ける)」は86.4%が使うと回答。世代を問わず定着していた。「お茶する(喫茶店に入る)」「事故る(事故に遭う)」も9割以上が聞いたことがあるとし、半数以上が使用もしていた。
一方、世代で差が大きい語も多く、「告(こく)る(愛を告白する)」や「きょどる(挙動不審な態度をする)」を使うのは30代以下に集中。ネットから生まれ、否定やけなす意味で使う「ディスる」は30代以上にはほとんど浸透していなかった。「タクる(タクシーに乗る)」も戦前からある言葉だが、使うのはほぼ20〜30代に限られた。
慣用句の意味をたずねた質問では「世間ずれ」を「世間を渡ってずるがしこくなる」と正しい意味で選択した割合は04年度調査から16ポイント低下し35.6%。「世の中の考えから外れる」と誤って覚えている人は55.2%で半数を超えた。同庁は「若い人ほど誤用が多く、全世代で違う意味で定着しつつある」としている。
「煮詰まる」も「議論が行き詰まり結論が出せない状態」という間違った意味を選ぶ人が07年度より増加。「やぶさかでない」や「まんじりともせず」も誤っている人の方が多かった。
最終更新:9月24日(水)19時28分
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