現代自は「わがグループ全体の資金動員力をもってすれば、何の問題もない」として万歳三唱をしたが、落札決定と同時に現代自の株価は9%超も下落した。
現代自の国内生産現場は「労組天国」であり、能率は海外生産拠点の半分程度とされるのに、平均年俸は日本円で900万円超。その人件費負担を薄めてきたのが、社内請負(下請け企業が雇用して親会社の生産ラインに投入している非正規職)6000人の存在だが、落札の翌日には「彼らを現代自の正社員として雇用しろ」との地裁判決が出た。
ウォン高が効いてメーン市場である米国シェアが落ちただけでなく、中国市場でも苦戦している。そればかりか国内市場でも、欧州車にシェアを食い荒らされている。
主要系列企業の高炉も建設も良くない。
本社ビルの豪華さなど、メーカーの生産性に何ら関係がない。が、韓国のビジネス社会は「豪華な本社ビル」への執着が強い。《外華内貧》の国民性によるのだろう。
そして、韓国の財閥には、オーナー会長様の大号令に対して、「殿ご乱心」と諌める忠臣がいない。《滅公奉私》の価値観に染まった国では、わが社の将来より、わが当面の実入りの方が大切だからだ。
現代自の凋落への踏み出し−。あぁ、ディス・イズ・コリアだ。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。