高円寺で歌い始めた「みんなのうた」は
そのメロディーと、変な振り付けで、
しだいに子供達の心をつかみ始めました。
もともと、阿波踊りや、高円寺フェスティバルといった
賑やかなお祭りの多い町だったので、
参加してる子供達や親達も、楽しい事が大好き
歌ったり、踊ったりが好きな子たち、親達が集い始めました。
けれど、それは「みんなのうた」1曲に集まる、人々。
わたしの、ほんとの真意を分かってくれていた人は、いませんでした。
いや、わたしは、隠していた。
楽しい歌の後ろに、私の本音を隠して、
「みんなのうた」をいろんなイベントで歌い始めました。
だんだん人が集まり始め、
メインボーカルに松本梨香さんがいた事も手伝って
いつしか子供達は「いつか、ポケモンのサトシに逢える」という
根も葉もない噂を信じ、歌いつづけました。
サトシに逢わせる事が目標でもなければ、
ただ歌って楽しければ良い、のが目的でもなく。
わたしの本年は
「南相馬に、子供達を連れて行きたい」というものでした。
南相馬から、子供達を外に連れ出すプログラムは、たくさんあります。
心を癒してもらおう、とか、海で想いっきり遊んでもらおう、とか。。。
でも、わたしは、そのプログラムに違和感を感じていました。
南相馬には、美しい海があります。
美味しい空気も、奇麗な朝日も、楽しい盆踊りも、美味しいカツオの刺身も。
そんな素晴らしいものがたくさんある町から、
どうして
「こどもは少しでも外にいたほうがいい」と言えるのだろう、と。
その町で暮らす子供達は、自分の町と、他の町を比べたとき、
南相馬が嫌だ、とは思わないと思います。
ママがいて、パパがいて、
お友達がいて、いつもの景色の中で、子どもは大きくなります。
自分の住んでいる町が嫌いな子どもなんて、滅多にいません。
南相馬がどれほど、美しく、素晴らしく、素敵な町なのか、
その自信を持ってほしいと、わたしは思っていました。
だったら、外から、子どもが遊びにいって
私が、南相馬に出会い人生を開かれたように、
何かを感じ、南相馬を愛してくれる人が増える方が、
とっても素敵なんじゃないかと。
そんな想いが溢れかえったとき
杉八小学校の女校長先生に、また会いに行きました。
杉八小のこどもたちもたくさん「みんなのうた」を歌ってくれていたので
「先生、うちは、こどもたちを、南相馬に連れて行くのが、夢なんです。
夢、というか、このプロジェクトの本心は、それです」
そうすると、先生は、言いました
「菜穂さん。焦っちゃダメだよ。気持ちは、すごくよ〜〜くわかる。
菜穂さんがどうして『みんなのうた』を大事に育てているか、私は分かります。
けれど、ここは、杉並区。たくさんの人がいて、たくさんの考え方を持つご父兄がいる中で、いきなり「南相馬に子どもを連れて行きます!」という旗を掲げては、
きっと、菜穂さんのやりたいことは、できないわ。ことしは我慢して、ゆっくり、ゆっくり、仲間を増やしてみてご覧。きっと、きっとできるから。きっと素晴らしい舞台ができると思うから。焦っちゃダメよ」
と、校長先生は言われました。
涙が止まりませんでした。
悔しくて、はがゆくて、なんだか嬉しくて。
ひとつ、ひとつ、仲間を。。。
そう思いました。
直感で出会いに行った子供達は、
次第に「みんなのうた」の意味を、分かり始めたのです。。。。
そして、昨年夏。
一人の女の子が
「ねえ、なっぽ、南相馬に、連れてって」
と、私に言ってくれました。
えりの、という女の子でした
vol.3へ続く。。。。
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