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2014/9/25 14:17

世界選手権2014個人TT男女エリート

世界選手権2014個人TT男女エリート:世界戦TT最後の挑戦のウィギンス(イギリス)がオリンピックに続き金メダルを獲得!アワーレコードへの挑戦も明言!マルティン2位に沈む、女子はブレナウワーが制覇


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”最後の世界選手権個人TT”、そう自ら宣言したサー・ブラッドリー・ウィギンスが激戦となった個人TTで抜群の走りを披露、苦難の続いた今シーズンの鬱憤を吹き飛ばす快心の走りで3年連続個人TT世界チャンピオンのトニー・マルティン(ドイツ)を撃破、オリンピック個人TT金メダルに続き世界選手権でも金メダルを獲得した。唯一平均時速50km以上を叩き出したウィギンス、最強の称号を一発勝負で手に入れてみせた。


『強い男が笑う、それが勝負の世界だ ©Tim D.Waele』
選手生活最後の2年をトラック競技に捧げると語る34才の元ツール覇者は、クリス・フルームとの確執が表面化した後はその言動から悪役視されることが多く、チーム内でも十分な支持を得られずにツール・ド・フランスの出場もできなかった。それでも今シーズンは腐ることなく、当初口にしていた通りトラック競技などに出場するなどして、コンディション作りをしてきた男はスペインの地で躍動、狙い通りの勝利を掴みとってみせた。

第一中間計測でこそマルティンに後れを取ったものの、そこから先は最終走者のマルティンにタイム更新すら許さない圧倒的な強さでの優勝だった。チームTTでは惜しくもメダルを逃したが、個人戦できっちりと勝利、本来のポテンシャルの高さを改めて世界に知らしめた。


『これが最高の走り、最後と決めた男は照準を合わしてきた ©Tim D.Waele』

『笑顔のウィギンス ©Tim D.Waele』
「自分の脚がベストな状態であることは確信があったよ。そしてコースを見て、マルティンを倒せるとしたらここしかない、今年の大会こそが千載一遇のチャンスだと思っていたんだよ。走り出したら後はもう普段通り、リラックスして走ることが出来たよ。何をすべきかもきっちりと意識できていたし、勝負どころは後半のテクニカルなセクションだとわかっていたからね。だから前半は体力温存、勝負どころの後半に向けて脚を貯めていたんだよ。10秒のリードがあることを知っていたから、後は恐れずに更に仕掛けるだけだったよ。でもリスクを追うほどのプッシュはしなかったよ。」


『トップ3の走り、それぞれの今の実力をきっちりと発揮した ©Tim D.Waele』
「今年は辛いシーズンだったね。ツールにはでられなかったしね。でもそのせいで調子が悪いとか衰えたとか言われるのは嫌で、その期間中にやってきたことをきちんと結果で示したかったんだよ。その間支えてくれた家族に感謝しているよ。最後の世界選手権個人TTと決めていたからどうしても勝ちたかったし、そしてこうして金メダルをとれたことはほんとうに嬉しいよ。これでイギリスチャンピオン、オリンピック金メダル、世界チャンピオンと全てを同時に獲得できたからね。それに加えてパシュートでの世界チャンピオンでもあるから、まさに全て欲しい物が手に入ったよ。」ゴール後、力尽き倒れた男は、珍しく満面の笑みを表彰台で見せた。


『快心の走り・・・となるはずだったが・・・ ©Tim D.Waele』

『なんとも言えない表情のマルティン ©Tim D.Waele』
マルティンは2位に沈み、チームTT同様に表彰台の中央を逃した。調子が悪くとも確保してきた世界チャンピオンの証アルカンシエル、今年は調子が良かっただけにここへ来ての敗北は本人にとっては屈辱だろう。マルティンは今年はかなりの数のレースをこなしており、ここへ来て疲労により調子をピークに持ってこれなかった様に感じられる。やはりこに時期の世界選手権というのはコンディション作りがいかに重要かつ難しいかを感じさせた。


『力強さに加え、”上手さ”が出始めた走り ©Tim D.Waele』

『デュムランは今後が期待される ©Tim D.Waele』
そして3位、銅メダルを獲得したのは成長株のトム・デュムラン(オランダ)だ。今シーズン大きな成長を見せ、シーズン中も何度となくその存在感を誇示した男が結果を残してみせた。タイプ的にはウィギンスに似たタイプであり、総合系の選手への進化の兆しも見えるだけに今後が楽しみな選手だ。

ロード世界選手権2014 個人TT男子エリート 結果
金メダル ブラッドリー・ウィギンス(イギリス)   56’25”52
銀メダル トニー・マルティン(ドイツ)   +26”23
銅メダル トム・デュムラン(オランダ)   +40”64
4位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ)   +47”92
5位 ローハン・デニス(オーストラリア)   +57”74
6位 ネルソン・フィリップ・オリビエラ(ポルトガル)   +1’11”62
7位 アドリアーノ・マローリ(イタリア)   +1’21”63
8位 アントン・ヴォロバイエフ(ロシア)   +1’29”66
9位 ヤン・バルタ(チェコ)   +1’43”41
10位 ジョナサン・カストロビエホ(スペイン)   +1’44”20


『女子のバトルも熱い、激戦での決着 ©Tim D.Waele』
ハイレベルなバトルとなった男子同様に、女子でも激しいバトルが繰り広げられた。そして女子エリートを制しアルカンシエルに袖を通したのはリサ・ブレナウアー(ドイツ)だった。中間計測では5秒差内に選手たちがひしめき合う大混戦、しかし最後の最後でブレナウアーだけがさらに一段ギアを上げての圧勝、実力の差を見せつけた。これで昨年度のチームTTでのメダルに続き、2つ目の世界戦金メダルを獲得した。


『余裕を持ってというのは過言だが、後半勝負できっちりと勝ち切った ©Tim D.Waele』
「長距離であったことが私には有利に働いたわ。どちらかと言えばスロースターターだから、後半に伸びるタイプなの。だから今回のコースはまさに私向きだったわね。だから仕掛けどころは後半の上り、そしてその件ではリスクを背負って全力でさらに飛ばしたわ。」ブレナウアーは自らの特性をきちんと把握し、走りきった。


『ソロヴィとスティーブンスもいい走りをした ©Tim D.Waele』
そして2位、銀メダルにはハンナ・ソロヴィ(ウクライナ)が飛び込んできた。中間計測でトップタイムを叩き出した勢いそのままに最後まで走りきり、見事に2年間の出場停止後とは思えないコンディションの良さを披露した。しかし来シーズンに関しては、母国ウクライナ、特に出身地がその紛争のまっただ中であることもあり、選手を続けるかどうかの判断に迷っていることを口にした。「今こうしてこの瞬間の喜びをただ感じていたい」まだ若干22歳の心は揺れ動いていた。

そして銅メダルにはエヴァリン・スティーブンス(USA)が入った。ソロヴェイのタイムに迫り続けたが、最後は力及ばず3位で大会を終えた。「病欠になったチームメイトの分まで頑張ったわ。表彰台が視野に入ってくると燃えるわね。」アメリカ人らしく前向きな言葉で締めくくった。

有力勢が皆苦戦したコースで、若い世代が台頭、下からの突き上げは女子でも起きているようだ。

ロード世界選手権2014 個人TT女子エリート 結果
金メダル リサ・ブレナウアー(ドイツ)   38’48”16
銀メダル ハンナ・ソロヴィ(ウクライナ)   +18”68
銅メダル エヴァリン・スティーブンス(USA)   +21”25
4位 ミケ・クローゲル(ドイツ)   +38”29
5位 アン・ソフィー・ドゥイク(ベルギー)   +45”31

H.Moulinette
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