神戸・遺棄逮捕:猫通じ女児と接点? 顔見知り可能性

毎日新聞 2014年09月25日 01時02分(最終更新 09月25日 02時04分)

女児の遺体が見つかった現場に向かう階段を調べる捜査員ら=神戸市長田区で2014年9月24日午前11時38分、貝塚太一撮影
女児の遺体が見つかった現場に向かう階段を調べる捜査員ら=神戸市長田区で2014年9月24日午前11時38分、貝塚太一撮影

 ◇容疑者住む住宅に通う

 神戸市長田区の市立名倉小1年、生田美玲(みれい)さん(当時6歳)が遺体で見つかった事件は、遺体発見の翌日に容疑者逮捕と急展開した。兵庫県警が逮捕の1週間以上前から不審者として把握していた君野康弘容疑者(47)。最近は昼間から酒を飲んで近所をうろうろする姿が目撃され、近隣とのトラブルが絶えなかった。一方で、同じアパートの住民の飼い猫が美玲さんとの接点になっていた可能性が浮上した。

 君野容疑者のアパートは、美玲さんの遺体が見つかった草むらからわずか約30メートル。市道から草むらに上がる階段沿いで、木造2階建ての2階に住んでいる。

 美玲さんは約1年前からこのアパートを頻繁に訪れていた。住民の男性によると、美玲さんは猫が好きで、この男性が飼っている猫と遊ぶために来ていたという。君野容疑者も猫を飼っていたといい、「猫を通じて君野容疑者と美玲さんが顔見知りだった可能性がある」と話す。

 関係者によると、君野容疑者は鹿児島県南九州市(旧川辺町)の出身。昨年5月に関西地方の刑務所を出所した後、アパートで1人暮らしを始めた。酒を飲むと荒れる性格で、階段で騒音を立てて他の住民とトラブルになることもあったという。

 近くの60代女性によると、君野容疑者は仕事をしている様子はなく、平日の昼間にもよく見かけた。ラーメン店員の女性は、君野容疑者が朝から缶ビールを持ってうろつく姿を度々目撃。来店した君野容疑者から「ビールと漬物ちょうだい」と注文を受けたことがあった。別の男性(72)は「夏に上半身裸で歩き回っているのを見て不審に思っていた」と話した。

 一方、付近のマンションに住む無職の男性(65)は「現場は分かりにくい場所なので、直感的に近くの人による犯行ではないかと思った。遺族のことを思うとやりきれない」と語った。集合住宅に住む女性(57)は「この辺りは普段は静かだが、空き家が多く、猫が殺されるなど不審者も多い」と不安そうな様子で話していた。

 遺体が見つかった現場近くでは24日午前10時半ごろ、鑑識用具を持った捜査員十数人が、ブルーシートの中に入るなど慌ただしく出入りしていた。【柳楽未来、松井豊、田辺佑介】

 ◇ネットに「友達欲しい」 婚活サイトも登録…君野容疑者

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