【ブルゴーニュ:53 】アラン ユドロ ノエラ 2011。3つのグランクリュを利く。

こんにちは、HKOです。
最近更新が著しくチンタラしていてすみません。ネタはあるのですが、なかなかテンションが上がらず、筆が遅れる遅れる...
飲酒はちょっと先週から胃を壊しているので、自重気味でございます。
早く治んないかなー、早く酒飲みたいよー。
さて、今回はユドロノエラのフラッグシップである特級畑3種の水平です。2010年は大変すばらしかったですが、2011年ははたして...!
若干24歳(!)の美形の3代目、シャルル ヴァン カネット率いるアラン ユドロ ノエラは1964年に祖父アランユドロが起こしたドメーヌ。シャンボールミュジニーの家系ですが、ジャン ジャック コンフュロンとも類縁関係にあり、珠玉の特級、一級畑を保有しています。非常に評価の高いドメーヌです。
栽培は場合によってビオを使用する場合もありますが、リュットレゾネ中心の農法を行っています。
収穫後、除梗はせず、10日間の低温浸漬、アルコール発酵、プレス時に種子によるタンニンの抽出を避けるためバスケットプレスでプレス。
新樽比率は村名20%、一級30-50%、特級60%で12ヶ月-17ヶ月で樽熟成を行う。フラッグシップはリシュブール、ロマネ サン ヴィヴァン、クロ ド ヴージョ(小区画は上部のマレ オーとガレンヌ)。
さて、いってみましょう。
生産者: アラン ユドロ ノエラ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 2011

約22050円、WA91pt(2009)
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。
リシュブールより重心が低く、黒系ベリーの果皮の煌びやかさ、力強さを感じる事ができる。よく熟したダークチェリーやブルーベリーの果実味、なめし革やスミレの香り。糖蜜をかけたビスケットやシナモン。少しクローヴ、茎などの青っぽさ。そして鉄分の香り。燻製肉や土っぽさ。シロップやビスケットの甘露さが非常に前に出ており、
リシュブールと比べるとアーシーな味わい。
こちらもリシュブール同様、酸とタンニンは丸みを帯びている。しかし赤系果実が前に出ているリシュブールに比べると、より土っぼさや、紅茶的な要素が前に出ている。ややハーヴィー。
生産者: アラン ユドロ ノエラ
銘柄: ロマネ サン ヴィヴァン グランクリュ 2011

約58800円、WA93pt(2009)
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。
こちらもかなり重心が高く赤い果実味が伸びていくサンヴィヴァン。果皮のニュアンスは強いが、妖艶でリシュブールより広域に伸びていく果実味が感じられる。
綺麗なミネラルがある。
オレンジのニュアンスより、果実味高いダークチェリーやフランボワーズのリキュール、シナモンやカラメル、シロップの甘み。そしてスミレやバラ、松、茎やハーブなどの華やかで野生の森の様な香りが感じられる。鉄分、パストラミハム、ユーカリ、オリエンタルスパイス、トーストの様な風味が感じられる。ミルクティーの風味もある。
酸味はやや強めで、タンニンは穏やか。茎やスミレの強い自然の芳香。リシュブール同様エキス感があるが、より華やかな印象を受ける。華やかでしなやかな自然的なサンヴィヴァン。
生産者: アラン ユドロ ノエラ
銘柄: リシュブール グランクリュ 2011

約66150円、WA93pt(2009)
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。
重心が低域にあり黒い果皮を感じる(強い抽出を感じる)クロ ヴージョに対して、より高域に伸びていく赤い果実味が特徴的。ヴォーヌロマネ的なスタイル。
オレンジや、赤系ベリーの官能的な果皮の要素が強い。そしてよく熟したアメリカンチェリーやフランボワーズ、なめし革やスミレ、茎の華やかな芳香。バニラや赤い花の蜜の甘露さがあり、トースト、鉄分、濡れた樹皮、ミルクティーなどの複雑な要素がある。
ヴォーヌロマネらしい高域に伸びていく華やかさ、梅柴のようなエキス感がある。酸やタンニンは穏やかだが、口に含んだ際赤系果実、ミルクティーの風味が口内に広がる。球体のワインでコロコロと丸いエキス感が感じられる。ジューシー。余韻も長い。
エシェゾーと比べると果実の凝縮感が高く、ボディが強い印象を受ける。
さて、アラン ユドロ ノエラ最上の3つの特級畑の2011年です。この生産者の特級を比較するのは初めてですね。
アランユドロノエラのワインは他のブルゴーニュルージュと比べると際立って華やかで力強い芳香を放つのが特徴で、それらは強めの抽出と、でしゃばり過ぎない樽香、程よく熟した果実によって実現されています。
繊細さに関しては一線級生産者のそれには劣るものの、複雑さについてはテロワールから吸収できているのではないかと思います。
アラン ユドロ ノエラの2011年について、若干のドライさは感じられるものの、個人的にはあまり大きな影響は無い様に感じられました。先述した様に華やかさに主軸を置く生産者ですので、勿論果実味があるに越した事はないのですが、例えば弱くてもその魅力をスポイルするほどのものではない、というものです。
さて、各畑ごとの比較ですが、非常に明確な差異が現れていました。
まず唯一の別の村であるクロ ヴージョ。ユドロ ノエラ保有の区画はクロ ヴージョ上部に位置する畑で、立地としてはかなり恵まれた区画となっていまさ。クロヴージョはこれらの特級畑の中では最も重心が低く、黒系の果実を思わせる果皮の要素が強く感じられます。ユドロノエラらしい煌びやかさを残しつつ、樽によるビスケットの要素や紅茶など力強さを感じる事が出来ます。また大変甘露でユドロノエラとしては重たい印象を受けるワインだと思いました。
次にサン ヴィヴァン。こちらはラ ロマネの下部に位置する比較的低標高にある特級畑になります。表土は90cmと比較的深く、粘土と活性度の高い白亜。傾斜は浅く水はけは良くはないが品質は特級随一といえます。
クロ ヴージョとは逆の性質を持っており、極めて重心が高く伸びていくような赤い小果実の要素が強く感じられました。果皮のニュアンスは強く、極めて華やかさ。
引き締まったエキス感とリキュールの様な濃密さ、濡れた草花や樹木を感じさせる清涼感のある要素とマロラクティック的な要素、トーストの様な樽香を感じさせます。全く重みを感じさせない、引き締まった体躯のワインだと言えます。広がり方はリシュブールより広域で妖艶。ヴォーヌロマネを体現したサンヴィヴァン。
最後、ブルゴーニュ最上クラスの特級畑リシュブール。標高260-280mに位置する母岩は石灰岩、表土は粘土と泥土で構成される畑で小区画はレ ヴァロワイユ、レ リシュブールの2区画。
こちらもサン ヴィヴァン同様広域に伸びていく様な赤い小果実、オレンジなどのエキス感のある果実味が特徴ですが、サンヴィヴァンに対して、より身が詰まった鋼鉄の様な密度を持っています。ゆえにスミレの要素も引き締まり、さながら香水の様な芳香が立ち上ります。鉄分やなめし革の要素もリシュブールの華やかさを引き立てています。
また濡れた草花や樽の要素もしっかりとあり、バニラやミルクティーの要素や梅しばのようなエキス感も大変強く感じられました。
リシュブールは口当たりに至るまでもう完璧。
2010年の方が好きではあるのですが、2011年もその素晴らしさは健在といったところでしょうか。
価格の高騰が著しい生産者の一人ではありますので、飲むのなら今のうちかもしれませんね。
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