ニュース詳細
デング熱対策に“ウイルス抑える蚊”9月25日 8時20分
蚊が媒介する感染症、デング熱の感染拡大を防ごうと、主な感染地の1つ、ブラジルでウイルスの働きを抑える物質を持った蚊を増やす新たな取り組みが始まりました。
毎年デング熱の感染拡大に悩まされるブラジルでは、これを防ぐための対策として新たな試験に取り組むことになり、リオデジャネイロにある研究所が24日、ウイルスの働きを抑えるバクテリアの一種で「ボルバキア」と呼ばれる物質を注入した蚊、1万匹をリオデジャネイロ郊外の人工島に放しました。
この物質には蚊が吸った血液の中にあるデング熱ウイルスの増殖を抑える効果があり、蚊を通した新たな感染を防ぐことができるうえ、殺虫剤などと比べほかの生物への影響が少ないのが特徴です。
また、この物質を持つ蚊と持たない蚊との間から生まれる蚊は、すべてこの物質を持つため、将来的にはデング熱の根絶につながると期待されています。
同様の試験はオーストラリアやインドネシアなどでも行われていますが、ブラジルでは去年1年間でおよそ150万人が感染した世界でも最大規模の感染地だけに、成果が期待されています。
研究所では、蚊の活動が活発になる夏を前に今後4か月にわたって毎週1万匹の蚊を放す予定で、担当者は「5年から10年をかけてこの取り組みをブラジル全土に広げていきたい。感染が確認された日本でもこの方法は有効になると思う」と話しています。
[関連ニュース]
[関連ニュース] 自動検索 |
・ 蚊が媒介の感染症 年内に対策を (9月19日 18時45分) |
[関連リンク] |
|