FOMCの結果、最大のマーケットリスクが消滅した
9月16、17日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、非常に緩やかなペースで景気回復をサポートするために当分の間、ゼロ金利政策を維持することが決定した。今回のFOMC前には、市場関係者の間には、FRB(連邦準備制度理事会)が市場のコンセンサス(大体、来年後半、7月頃にゼロ金利政策の解除に踏み切る)より前にゼロ金利政策解除を実施するのではないかという懸念が広がっていた。
だが、FOMC後のステートメント発表によって、ゼロ金利政策解除の前倒しの懸念がとりあえずは払拭されたと考えていいだろう。
筆者は今回のFOMCの結果は、ゼロ金利政策の継続が確認されたこと以上に、米国株式市場、及び米国経済にとってポジティブにとらえてよい内容だったと考える。それは、米国の株式市場を調整させ、それを通じて米国経済の回復を妨げる可能性が高い「マネタリーベースの減少」のリスクが回避されたためである。よって、今年終盤に向けて、最大のマーケットリスクが消滅したと考える。
まず、今回のFOMCでは、10月に終了する段階的な量的緩和政策縮小(「Tapering」)後の政策の詳細が発表された。具体的には、(1)現在、FRBが月100億ドルのペースで実施しているMBS購入を月50億ドルに削減する、(2)同じく、月150億ドルのペースで実施している米国債の購入を月1,000億ドルに削減する、(3)現在保有しているMBS(住宅ローン担保証券)、米国債の償還分の再投資は継続する、ことが発表された。
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