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 八ツ場ダム(群馬県長野原町)建設に伴って付け替えられるJR吾妻(あがつま)線のうち、水没予定区域周辺の10・4キロの運行が24日に最終日を迎えた。

 この日は、区間内の川原湯温泉駅の現駅舎も役目を終えた。鉄道ファンらがカメラを向け、木造駅舎との別れを惜しんだ。列車から降りてきた高校3年の久保田有希さん(18)は「幼い頃からずっと見てきた駅がなくなるのは寂しい」と話した。同駅から上り約2キロにあり、「日本一短い鉄道トンネル」とされる樽沢(たるさわ)トンネルを列車が通るのも最後となった。

 JR東日本によると、駅舎は1943年建設で46年に開業。川原湯温泉の玄関口として親しまれてきた。ダムが完成すると、駅は湖面の下約80メートルに沈む。新駅は高台に完成しており、10月1日から水没予定地を避ける新ルートで運行が再開される。その間に付け替え作業が行われ、運休区間には代替バスが運行される。