【レポート】
2013年10月~2014年3月まで放送されていたテレビアニメ「キルラキル」。タイトルや劇中のテロップに用いられた極太のフォント、制服を「着る」ことで強くなるという設定、エッジの立った個性豊かなキャラクター、迫力ある戦闘シーンなどから構成される圧倒的な魅力によって、放送を終えた今もなお、多くのファンをとりこにしている。
そんな同作を生み出したのは、設立からわずか3年のアニメ制作会社「TRIGGER(トリガー)」。業界内外より注目を集めている同社の創設者のひとりである舛本和也氏は、アニメ制作の現場において、「制作進行」という職種、つまり現場のマネジメントを行う立場からスタートし、キャリアを積んできた人物だ。
現役のクリエイターでありながら、アニメ、ゲーム、漫画、声優など、エンタメ分野のプロを輩出する「アミューズメントメディア総合学院」の特別講師として12コマの講義を受け持ち、アニメ業界の未来を担う後進の育成に力を入れている同氏が講師を務める特別講義「キルラキルができるまで」が、同学院の体験説明会において実施された。
未来のアニメ業界を担う入学希望者たちに、アニメ制作の"いろは"から同氏が抱くアニメ作りへの熱い思い、そして「学生のうちにやっておくべきこと」までを伝授する熱いひとときとなった。本稿では、入学希望者限定で行われた同講演の一部をお届けする。
講演の冒頭で、舛本氏はまず自身の経歴を紹介。山口県・岩国市 柱島に生まれ、離島のため視聴環境が整っていない中アニメに惹かれながら育ち、19歳の時に見た「新世紀エヴァンゲリオン」(1995年)が業界を目指した直接の動機となったという。今やアニメの枠を超え、カルチャーの域にまで達した感のある大ヒット作品「エヴァ」シリーズだが、「新世紀エヴァンゲリオン」がテレビ放映された当時、「アニメは子供が見るもので、一般の若者や社会人からすると、娯楽としては一段下のもの」であったと舛本氏は語る。
確かに、アニメ=子供のもの、という意識は、現在においても残っているイメージだろう。とはいえ、今よりもずっとそのイメージが強かった状況下で、ストーリーの起承転結や作画を含め、すべてが"映画の作り方"で構成され、作品性の高いアニメとなっていた「エヴァ」はある種"革命"を起こし、それによって現在のように「大人がアニメを見ることが一般化していった」のだと振り返る。
現在はプロデューサーなどの立場で現場の指揮を執る舛本氏だが、大学卒業後は、「絵を描くことが好きだった」という理由で専門学校のアニメーター課に入学。卒業後、アニメ制作会社「メルヘン社」に入社した。だが、この会社はアニメ業界に関心のある人であっても耳慣れないものだろうと舛本氏は指摘する。というのも、「タツノコプロ」、「サンライズ」、「Production I.G」など、アニメの作り手としてファンに知られているのは「元請け会社」。それとは別に、舛本氏がかつて籍を置いた同社のように、元請けから制作を受注する「グロス受け会社」(いわゆる下請け企業)が数多く存在する。
そんなグロス受けの会社で、同氏はマネジメントや予算の管理などを一手に引き受ける制作進行を約6年にわたり経験。そして、2006年には、アニメ業界に入るきっかけとなった「エヴァ」を手がけた「ガイナックス」に入社する。そこで、「キルラキル」のメンバーが最初に手がけたヒット作「天元突破グレンラガン」(2007年)、カートゥーン調のキャラクターデザインできわどいネタを連発する異色作「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」(2010年)など、挑戦的な作品を手がけてきた。
そして、2011年にアニメ制作会社「TRIGGER」を設立。「リトルウィッチアカデミア」(2012年)、そして今回の講演テーマともなっている「キルラキル」(2013年)といった作品を制作してきた。これら2作品、およびガイナックスで制作された「天元突破グレンラガン」と「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」は、テレビアニメの大多数を占める漫画、小説などの原作つきアニメではなく、アニメ作品として作るために企画を一から立ち上げる「オリジナル作品」と呼ばれるものだ。
アニメ作品のほとんどに、原作となる漫画や小説が存在するというのは、特にアニメを熱心に見ない人でも、何となく感覚で分かるのではないだろうか。原作付きアニメは元となる世界観がすでに完成していて制作期間が短縮でき、かつ原作の人気である程度のヒットが見込めるため作りやすく、自然とオリジナルアニメに比べて数が多くなっている。裏を返せば、そうした保証のないオリジナルアニメを作るのは並大抵のことではない。
「原作もの」であれば制作期間は1年程度だが、「オリジナルアニメ」となると、設定などをいちから作り上げるのには少なくとも約3年の月日が必要となるという。舛本氏は、アニメに限らず物語を創作すること全般に話を広げ、「他者から評価される、"商売になる"ものを作るのはとても難しい」とその厳しさを強調。オリジナルアニメの制作は「ある種賭け事をしているようなもの」で、「不安感もすごくある」という。そんな厳しさの中にあってもオリジナルアニメに挑戦し、失敗と成功を繰り返してきた舛本氏たちTRIGGERの面々。その成功例のひとつとして、「キルラキル」が結実したといえるのではないだろうか。
【レポート】人気オリジナルアニメ「キルラキル」ができるまで - 「TRIGGER」舛本和也プロデューサーが"アニメの作り方"を詳細解説 [20:31 9/24] |
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