アメリカをはじめとする各国が連携して、シリアを空爆しました。ターゲットになったのは「イスラム国」と、コラサン(Khorasan)です。

今回の攻撃に参加した国々は、ヨルダン、サウジアラビア、UAE、バーレーン、カタールで、これらの国々は作戦に際して攻撃機、ないしは空中給油機を提供しました。

その理由は、リビア空爆のときとは違い、今回の攻撃は中東内の各国の空軍基地からずっと離れたターゲットに対して遠投の攻撃を行ったので、多くの攻撃機は空中での給油を必要としたからです。

第一波の攻撃は、紅海上の米軍の艦船から発射されたトマホーク・ミサイルです。これはアレッポなどに着弾しました。

第二波攻撃で、F-22ラプターが、アラカのコラサン本部をピンポイント攻撃しました。

第三波攻撃では航空母艦や中東の基地から発信した攻撃機が東シリアの「イスラム国」のターゲットを攻撃しました。

攻撃の目標となったのは司令部の建物、補給施設、トレーニング施設など、幅広い軍事施設です。

コラサンはシリア国内に本拠地を持つアルカイダ系のテロ組織です。主にシリアやイラクなどの地元を中心に荒し回っている「イスラム国」とは違い、コラサンは9・11のような、世界の大都市を標的にした破壊活動を計画していました

未確認情報では、今回のF-22ラプターの攻撃でコラサンのリーダー、ムシン・アル・ファドリはもう殺されたという事も伝わってきています。

コラサンというグループの存在に関して、米国政府はこれまで余り公の場で議論してきませんでした。それはビンラーデン同様、相手に米国の手の内を察知されたくない相手だったからだとウォールストリート・ジャーナルは伝えています。アル・ファドリはビンラーデンの側近で、9・11の攻撃を事前に知らされていたメンバーのうちの一人だそうです。

米国国務省は、コラサンと、同じようにシリア内で活動しているナスラ前線と呼ばれる二つのテロリスト集団は、世界中で動き回れるので、「イスラム国」とは性格が違うと解説しています。つまり欧米にとってすぐにでも脅威となるのはコラサンならびにナスラ前線だというわけです。