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米 シリアで空爆始める
9月23日 13時03分

米 シリアで空爆始める
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イラクとシリアで勢力を広げるイスラム過激派組織「イスラム国」に対して、アメリカ国防総省は、アメリカ軍がイラクに続いて隣国のシリアでも空爆を始めたことを明らかにしました。

アメリカ国防総省はアメリカ東部時間の22日夜(日本時間23日午前10時半ごろ)、シリアでイスラム過激派組織「イスラム国」を標的に、アメリカ軍と友好国の軍が共同で戦闘機や爆撃機、それに巡航ミサイル「トマホーク」を使って軍事行動を行っていると発表しました。
ただ、国防総省は、シリアでの空爆作戦は進行中だとして、空爆の場所など詳細は明らかにしていません。
また、今回の空爆の実施はオバマ大統領から権限を与えられたアメリカ中央軍の司令官が22日に決めたということです。
アメリカ軍は先月8日以降、過激派組織に対して、イラク国内ではこれまでに190回の空爆を実施していますが、隣国シリアで空爆を行ったのは今回が初めてです。
イスラム過激派組織「イスラム国」はイラクとシリアの両国で勢力を広げており、オバマ大統領は今月10日のテレビ演説で「イラク同様にシリアでも軍事行動を取ることをためらわない」と述べ、イラクで続ける空爆をシリアにまで拡大する方針を示していました。
そして、今月16日にはヘーゲル国防長官がシリア国内での軍事行動も含む作戦計画を承認したとして、空爆に向けた準備が整ったことを明らかにし、そのあとオバマ大統領が南部フロリダ州にある中央軍の司令部を訪れ、「イスラム国」に対する軍事作戦について司令官から説明を受けていました。

米軍の空爆参加は5か国

アメリカのCNNテレビは22日、アメリカ政府高官の話として、シリアの空爆にアメリカ軍とともに参加したのは中東のサウジアラビア、ヨルダン、UAE=アラブ首長国連邦、それにバーレーンとカタールの5か国だと伝えています。
この5か国は、中東地域でアメリカと同盟関係にある国々です。
CNNは、この5か国のうち実際に攻撃に加わったのは、サウジアラビア、ヨルダン、UAEの3か国で、バーレーンとカタールは作戦を支援したと伝えています。
また、アメリカNBCテレビはインターネットのホームページで、シリアでの空爆の対象は「スンニ派武装勢力の武器庫や訓練施設、それに宿営地など北部のラッカ周辺の20か所に上る」と伝えています。

空爆参加した中東諸国の立場は

アメリカ軍とともにシリアへの空爆に参加していると伝えられている、中東のサウジアラビアやUAE=アラブ首長国連邦などはいずれもアメリカと同盟関係にある国々で、かねてよりイスラム過激派組織「イスラム国」を敵視していました。
このうちサウジアラビアは、対立するイランがシリアのアサド政権を支援していることから、これに対抗する形でスンニ派主体の反政府勢力を支援してきました。
また、アメリカのオバマ政権に対し、アサド政権への軍事行動を行うよう求めるとともに、反政府勢力への軍事支援の強化も主張していました。
さらに、一部の国民が「イスラム国」に協力し、資金を提供したり、組織に参加したりする動きがあり、戦闘員が自国に戻ってテロを起こす事態も強く警戒していることから「イスラム国」への警戒を強め、国内にある過激派グループの摘発も強めています。
一方、シリアの隣国のヨルダンでも、一部の国民がシリアに渡り、「イスラム国」をはじめとした過激派組織に参加しており、政府は、取締まりを強化しています。
さらに、UAE=アラブ首長国連邦も、イスラム過激派を含む宗教勢力の台頭を脅威とみなしており、フランス軍がUAEにある基地を拠点にイラクでの空爆に参加していることが知られています。

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