「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」は、iPhone 5sに引き続き、SIMカードは「nanoSIM」を採用している。auとソフトバンクでは、最近はAndroidスマートフォンでもnanoSIMを採用している機種が増えているが、iPhone 6/6 PlusのSIMを同キャリアのnanoSIM対応Android端末に挿し替えて使うことはできるのだろうか?
まずドコモの場合、現在nanoSIMを採用しているAndroidスマートフォンは発売されていないため、実際に試すことはできなかった。広報部に確認したところ、「iPhoneのSIMカードは、規格上は独自仕様ではないが、Androidで使えるかは現時点では分からない」との回答だった。
では、iPhone 6/6 PlusのnanoSIMにアダプターを装着してmicroSIMにした場合はどうか? ドコモ版iPhone 6のSIMにmicroSIM用のアダプターを装着し、「Xperia Z2 SO-03F」に挿し込み、APNで「spモード」を選んだところ、「NTT DOCOMO」と表示はされるが、通信はできなかった。nanoSIM対応のAndroidスマートフォンがドコモから登場しても、iPhoneとSIMを使い回すことはできなさそうだ。
auでは、iPhoneとAndroidスマートフォンのnanoSIMは互換性がある。au版iPhone 6のSIMを「HTC J butterfly HTL23」に装着、またHTL23のSIMをau版iPhone 6に装着したところ、問題なくLTE通信ができた。KDDI広報部に確認したところ、「iPhone 6とLTE以降のAndroid(nanoSIM対応機)であれば、問題なく利用できる」とのこと。SIMを使い回しても、通信はパケット定額サービスの対象となることも確認できた。
ソフトバンクの場合、iPhoneとAndroidスマートフォンのnanoSIMは互換性がない。ソフトバンクモバイル広報に理由を確認したところ、「iPhoneとAndroidスマートフォンでは一部で異なる料金プランを採用しており、パケット定額の対象にならない恐れがあるため」とのことだった。
試しに「AQUOS CRYSTAL」のSIMをソフトバンク版iPhone 6に挿したところ、ピクトアイコンに「SoftBank 4G」の表示は出るが、通信はできなかった。反対にソフトバンク版iPhone 6のSIMをAQUOS CRYSTALに挿したところ、ロック画面で「USIMエラー」と表示されてしまった。
ちなみに、ドコモとauはiPhone 5sからiPhone 6/6 Plusに機種変更をした場合、iPhone 5sのnanoSIMをそのままiPhone 6で使う形となるが、ソフトバンクの場合、iPhone 5sからiPhone 6/6 Plusに機種変更をしても、新しいSIMカードを使う必要がある。これは「アメリカ放題を利用するのに専用SIMが必要になるため」(広報部)だという。また、ソフトバンクのiPhone 5sとiPhone 6でSIMを入れ替えたところ、問題なく通信できたが、「アメリカ放題やパケット定額などで使えるかの動作保証はしていない」とのことなので、注意したい。
現在確認した限り、AndroidとiPhoneでSIMカードを使い回せるのはauのみ。動作保証されるのはnanoSIM対応機に限られるが、AndroidからiPhoneに、またはiPhoneからAndroidに機種変更をした際に、SIMカードを使い回せるのはうれしい措置だといえる。
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