今日の朝、以下の記事を書きました。
社会運動に対するモチベーションがわからない僕が、Twitter上で在特会デモの様子を眺めながら自分の中の差別意識について考える。 - 空虚な人生を晒すブログ
そしたら学生主体の社会運動の有志団体に所属している方から話を聞きたいと連絡を頂きました。
別に誰かに伝えるほど価値のある話なんかできないけどなー、と思いつつ、むしろ僕が社会運動に参加している人がどんな人か見たかったし話も聞きたかったので渋谷でビールを飲みながらお話をしました。
あまり詳しく聞かなかったけど、多分歯科衛生士の専門学校に行ってる歯に詳しい女性でした。『最近歯茎から血が出るんだよ。』と言ったら『確かにちょっと歯茎腫れてるもんね。』と言われました。机を挟んで話してる最中に歯茎が分析できているとは衝撃でした。
まず僕の自分の正義感に対する不信というのがどういうものなのか聞かれ、その後に社会運動に参加している人たちはどんなモチベーションで参加しているのかを聞きました。
彼女は『好きな漫画や映画や歌手やらが戦争で失われるなんて嫌じゃん。』とストレートに言ってきました。(おぉ、すげー自分の意見をストレートに言える人だな…)と内心尊敬半分びびり半分でした。
僕は『あーでも自分はそんな好きな漫画とか歌手とかないからなぁ…。』と言いました。『好きな歌手とか本当にいないの?』と聞かれたので、『でもCoccoだけは好きです。』と言ったら『いるじゃん!それでいいじゃん!』と言われました。
一瞬だけ体がフワッと軽くなった感覚がありました。
『それでいいじゃん!』
そうやって何の条件もなく人から肯定された経験があまり無かったからかもしれません。
それでも『いや~でも戦争でCoccoの歌が聞けなくなっても「おう、そうか」って感じだしな~…。』と僕は相変わらずジメジメしたことを言っていました。
そうすると
『だって戦争で親とか殺されたらムカつかない?そんな理由でいいんだよ!』と言われたので
『んーまぁムカつくだろうけど、実際になってみてからじゃないとわからないんだろうねぇ…。』とまた僕はジメジメした返事をしました。
1時間くらい話した後から僕にとってとても辛気持いい時間が訪れました。
ビールを飲んで笑顔で『気持良いー!』と背伸びをする彼女に僕は『お風呂好きなの?』と聞き、『好きだよ!』と返事された時に、これはシメタぞ!と思い、『僕はそういう身体的な快楽が無いんだよー。』と、最近レインの「ひき裂かれた自己」を読んでから考えたことを心の中でドヤ顔しながら言いました。
そしたら『どーせオナニーしてるんでしょ?』と言われました。少し口半開きで何も言えなくなり、『そうなんだよね~!』と、矛盾したことを自分は言い出しました。
僕が放った『身体的な快楽が無いんだよー。』という言葉は、自分が身体的な快楽を感じているのにそれを表現することができないという問題を隠蔽する言葉なんだということを突き付けられた気がしました。とてもグサッっと刺さりました。
『快楽感じてるんじゃん、それでいいんだよー!』と、ジメジメした僕とは正反対のカラッとした感じで言ってくれました。
そして最後に、『“空虚”ってことを主張してるけど、私は高校の校長先生から「空虚なめんな」て言われたよ。本当に空虚な人は君みたいにこんなに人と話せないよ。自分のこと空虚って言うんだったら、じゃあ空虚のまま何もせず生きてればいいじゃんって思うよ。』と言われました。
心が八つ裂きにされたような思いでした。僕は空虚な人間なのではなく、自分を空虚な人間と表現することで安心を得たりかまってもらいたいだけの人間なのかもしれません。
そんな感じで2時間くらいお話しをして解散しました。普段刺激が無い生活をしてるし、空気を読むような人間関係ばかり築いているので、こんな辛気持良い気持ちになるコミュニケーションはとても楽しかったです。それでもそんな簡単に僕はカラッとした性格になれません。
一人で駅のホームで今日の会話を振り返ってみたら、今までの家で本を読んでばかりだった生活はなんだったのだろう…、と思わずにはいられませんでした。
でも、これは僕が自分が良いと思うことを表現できなかったせいなのだと思います。だから本を読むことの負の部分しか目がいかないのです。僕は本を読むことには意味があると思ってるし、実際本を読んで考えてることをブログにアップしたからこそ興味を持って会ってくれる人もいるわけだし、『これでいいじゃん!』と、もっとこの自分が良いと思うことを伝えるべきだったな、と思いました。
次会った時にそれを達成するために、池袋の駅で電車を降りてジュンク堂に行って、奴はもっとこういうことを勉強すべきだ!と思う本(前々から自分も読みたいと思ってた本でもある)を購入しました。
今度会ったときは、『もっと人の心と社会がどのように繋がっているのか考えろやボケカスがー!』とその本で奴の頭を引っ叩いてやりたい。
という気分です。