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 大阪市都島区の認可外保育施設(閉鎖)で2009年11月、生後4カ月の男児がうつぶせ寝の状態で放置されて窒息死したとして、男児の両親が大阪市と施設を経営する会社などに約6500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、大阪地裁であった。相沢真木裁判長は両親側の請求を棄却した。

 判決によると、男児は会社員棚橋勇太さん(26)=大阪市旭区=の長男幸誠(こうせい)ちゃん。施設のベッドで鼻血を出した状態で見つかり、病院で亡くなった。判決は「幸誠ちゃんは顔を横に向けていた」とする施設の職員の証言などを踏まえ、幸誠ちゃんはベッドのマットレスで鼻や口がふさがっている状態ではなかったと指摘。死因について乳幼児突然死症候群(SIDS)と認定した。

 両親側は事故当日に子ども17人を見ていたのは保育士資格のない職員2人だったとして、施設側が乳幼児の様子を確認する義務を怠ったと主張していたが、判決は「うつぶせ寝にさせないことが徹底されていなかったものの、男児の死亡は予見できず、過失は認められない」と退けた。