択捉島でロシア建設の空港完成9月22日 19時27分
北方領土の択捉島でロシア政府が建設を進めていた軍民共用の新しい空港が完成し、地元の知事らが出席して開業式典が開かれ、ロシアが北方領土を自国の領土として開発する姿勢を誇示するものとして、日ロ関係への影響も懸念されます。
新しい空港は、ロシア政府が国家計画に基づき択捉島中心部の紗那近郊に7年前から建設していたもので、22日、地元サハリン州のホロシャビン知事らが出席して開業式典が開かれました。
この中でホロシャビン知事はこれまでの空港が老朽化していたことを踏まえ、「択捉島に安全な新空港を造ることは、政府から与えられた大きな課題だった」と強調しました。
新空港は2300メートルの滑走路を備えた軍民共用の空港で、極東のハバロフスクとユジノサハリンスクなどとの間で定期便が就航する予定です。
これまで択捉島の航空便の運航はユジノサハリンスクとの間を結ぶ小型機に限られ、悪天候による欠航が相次いでいましたが、今後はより大型の航空機で安定した運航ができるうえ、大陸部との間で直行便が就航することから、人の行き来や物流が増えるものとみられます。
また軍事面でも兵士や武器の輸送が容易になり、北方領土の軍事拠点化を進める懸念も指摘されています。
新空港の開業は、ロシアが北方領土を自国の領土として開発する姿勢を誇示するものと受け止められ、プーチン大統領の日本訪問が計画されるなか、日ロ関係への影響も懸念されます。
「首脳会談実現に影響はない」
菅官房長官は午後の記者会見で、「北方四島がロシアによって法的根拠なく占領されているこの状況では、ロシア政府によるインフラ整備などを阻止する手段は、残念ながら存在しない。根本的解決のためには北方領土問題を解決することが必要であり、双方受け入れ可能な解決策を作成すべく、交渉に粘り強く取り組んでいきたい」と述べました。
また、菅官房長官は、記者団が、日ロ両国の首脳会談の実現に影響があるか質問したのに対し、「そこについては影響はないだろうと思う」と述べました。
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