【スピーカー】
リビングワールド代表/プランニング・ディレクター/働き方研究家 西村佳哲 氏
パーソナリティ 山口咲子 氏
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なんのための仕事? 西村佳哲(著)
働き方研究家とは?
山口咲子氏(以下、山口):こんにちは、山口咲子です。今日は、河出書房新社から『なんのための仕事?』この本を出版された、働き方研究家の西村佳哲さんにお話を伺っていきたいと思います。西村さんよろしくお願いします。
西村佳哲氏(以下、西村):はい、どうもよろしくお願いします。
山口:働き方研究家。この肩書というのは、働き方というテーマで本を何冊も書いてらっしゃいますけれども、この働き方研究家に行き着いたのは、何があってその職業というんでしょうかね、就かれたんでしょうか。
西村:僕は30歳の時まで、ちょっと大きめの会社で働いていたんですよね。
山口:はい。
西村:その会社で後半4年間くらい担当していた仕事の一つが、建築設計の会社だったんですけれども。
新しいオフィスを考えるというか、皆さんが働く空間ですね、そういう仕事を担当していまして、みんながどうやったら良い空間で、良い仕事が出来る空間を作れるだろうかということを考えているうちに、空間の問題じゃなくて仕事そのものの問題なんだなという感じになっていた頃に、勢い余って辞めているんです(笑)。
それで、その後は個人のデザイナーとして、あるいはデザインプランナーとして仕事をしていこうという感じだったんですけども、辞めて1年経った頃に、あるデザイン誌で連載を始めさせていただくことになって、その時に作った肩書なんですね。
山口:働き方研究家……。
西村:ただ、序奏としてはちょっと前から始まっていて、31歳の頃に作ったんです。連載のために。
山口:そういうことなんですね。結局さっき仰った、オフィスのデザインというよりも仕事そのものの捉え方というか、西村さんがいつも書いていらっしゃる本というのは、仕事の中にあるその人の人生観、みたいなところを紐解いて表に出していらっしゃると思うんですけども。
例えば勢い余って辞めてしまったって仰ったんですけど、たぶん今、収録を聞いていらっしゃる方たちって、自分の仕事にいろいろな側面でぶち当たったり悩んだりする時に、この一冊の本に出会えるってすごく幸せなことだと思うんです。
西村:そうですか?
山口:なぜかって言うと、背中を過度に押してはいないじゃないですか。
西村:過度に押す? すごいですね(笑)。
仕事がつながると、世界観が見える
山口:いや、背中を過度に押す本もありますから。私、もう一つの仕事でラジオのパーソナリティ以外にも実は速読のインストラクターをしているんですね。早く読んでなんぼ、ということを教えているんですけど、西村さんの本は、全然早く読めないんですよ。ものすごい手強い本で……。全てにおいて。
西村:あ、そうなんですね。
山口:なぜかって聞きたいですか?
西村:聞きたい。是非聞かせて下さい。なぜですか?
山口:ありがとうございます。情報じゃないんですよね。単なる情報だったらぱっぱっぱとピックアップする技術は速読の中にいっぱいあるんですけれども、味わう読書、味わうもの、感じるものって言うのは感じるのにすごい良い字に感じられるってないんですよね。
自分の中に深く入っていってしまうのでこんなに速読を教えている、10年教えている私でも遅い遅い。なんだけど、私は仕事を考えなおす時にこの本に出会うというのは安易な決定をできないということだと思うんですけど。
西村:そうですかね。
山口:こういういち読者の声を聞いて西村さんは……。
西村:嬉しいです単純に。過度にに押し付けない、というのもすごい嬉しいし。なるほどね。
山口:逆に、踏みとどまっている人もいっぱいいると思いますよ。
西村:そうですか、それは嬉しいですね。
山口:自分の仕事に何が潜んでいるのか、とか。自分の仕事の前がどうで、後がどうでって、大企業にいるとそういうのってある意味よく見える人もいるし、仕事って一個つながって初めて世界観が見えるところまで……。
西村:一個つながるってどういうことですか?
山口:私、以前勤めていた大きな、それこそ大企業の一員だった時に、自分の仕事って一つのパーツでしかない時があるんですけど、やっていくと全体がずるっと見えるというか、その瞬間に腹にスコーンと落ちて意味も生まれるじゃないですか。
そこまでいけない時期に、時期尚早にやめてしまう人もいると思うんですけどね。
西村:見えない状態でね。
ライフデザインは描けない
山口:ですよね。この本で皆さんに伝えたかったことって、どんなことが?
西村:ヒトコトではなかなか言えないんですけど……。
山口:言って下さい。
西村:まず、最初に考えていたタイトルは『なんのためのデザイン』だったんですよ。
山口:デザインの仕事に変わった?
西村:僕はデザインの仕事、わりと長いこと……。そんな本格的でもないんですけど、携わってきて。あと、デザイン教育にずっと携わっていたので、それについての落とし前……。落とし前って程じゃないんですけど(笑)。言葉にしなければいけないなと思ったことがいろいろあったんですね。
それで、最初は『なんのためのデザイン』という本を書きたかったんですけども、編集の人と話していると、そのタイトルが付いているとデザイン書のコーナーに行ってしまって、なかなか皆さんの手に届かないからタイトルを変えられないか、という言葉もあり。
僕が一番最初に書いた『自分の仕事をつくる』という本も、登場するのがほとんどみんなデザイナーなんですよ。だから、デザインという仕事を通じてわりと普遍的と思われるところを取り出しているつもりなんですけど、まぁ、じゃあ同じことをすればいいかと考えて、タイトルは「デザイン」というのを放棄したという感じですかね。
山口:ライフデザインという言葉があるくらいですから……。でも、そもそもライフデザインって描こうと思って描けるものなんですかねぇ。
西村:あー、なるほど。出来ないですね。出来ないって言うか、するもんじゃないと思います。僕ね、最初ね、働き方研究家っていう名前で連載を始めたんだけれども、第一回目の時は、ワークデザイン研究家って付けたんです。
山口:ワークデザイン……。
西村:それで、違う違うと思って二回目にやめたんですけど(笑)。
山口:それはなぜですか?
西村:やっぱりそれは、デザインという言葉が相応しくないからですよ。
山口:それは世で言う一般的なデザインという認識。それと、デザイナーの方が考えているデザインってやっぱり違うと思うんですけど。
西村:そうかもしれないですね。
山口:世に言う時に相応しくないと思われたんですか?
西村:いや、デザイナーとしてだと思います。
山口:そうですか。
西村:デザインというのはこういう風になって欲しいという結果をしっかり考えて、その為の仕組みを作るんですよね。30分以上手放せなくなるだとか、こういう群れの中で必ず目に入ってしまうとか、ある機能の為の仕組みを作るので、自分の人生だとかそういうのをキメキメで作っていくものでもなかろうと、そういう感じですよね。
山口:一歩一歩進んでいくと、あまりにも思い通りにならないというか、なんて言うんでしょう。人があってこそ成立するものじゃないですか、仕事って。生きていくと全部思い通りになって来たかというとそんなことって……。どうなんですかね? 西村さん自身……。
西村:山口さんはどうなんですか?
山口:そもそも論で流されていますね。なぜかって言うと今の主人と出会ったからこその人生なので、そこから職業が発生しているので。もし私の主人が建築家だったら今この場所にはいないだろうし、うちの主人が全然違う職業だったら全然違う人生を歩んでいる。
そういう意味では、最初から流されている。流されてる範囲の中で、最適だと思うものを都度都度握っている。こんな感じなんですけど。
西村:前に同じく。
山口:前に同じくですか?
西村:省略しちゃってる?
山口:良いです良いです(笑)。
※続きは近日公開!