September 22, 2014
若い恒星のエネルギーを吸い取り、弱らせる、太陽系外惑星WASP-18bの想像図(9月16日公開)。NASAのチャンドラX線観測衛星で観測を行っている研究者たちは、地球から330光年の距離にあるWASP-18という恒星の活動レベルが低下し、実際の年齢よりもはるかに老化が進んでいるらしいことに気がついた。
若い恒星のエネルギーを吸い取り、弱らせる、太陽系外惑星WASP-18bの想像図(9月16日公開)。NASAのチャンドラX線観測衛星で観測を行っている研究者たちは、地球から330光年の距離にあるWASP-18という恒星の活動レベルが低下し、実際の年齢よりもはるかに老化が進んでいるらしいことに気がついた。
実際にWASP-18はまだとても若く、その年齢は5億~20億年とされる。これに対して、太陽の年齢は50億年ほどで、ちょうど中年に差し掛かったところだ。
WASP-18の早期老化は、その周りを公転する惑星に原因があるのではないかと考えられている。この惑星WASP-18bは木星の10倍の質量を持ち、恒星から非常に近い軌道上を公転することから、“ホット・ジュピター”と呼ばれている。WASP-18bが公転に要する時間はわずか23時間足らずだという(木星の公転周期は約12年)。
このような惑星との近さが、どうやらWASP-18の先行きを暗くしているようだ。WASP-18bの重力によりWASP-18の磁場に歪みが生じている可能性が高く、その結果、X線放射とフレア生成の面で活動レベルが大きく低下し、実際の年齢よりも老化が進むことになったと見られている。
Images by (X-ray) NASA/CXC/SAO/I.Pillitteri et al; (Optical) DSS