「来年、田中は使えるのか?」
今回の登板は、「来年、田中は使えるのか?」という経営判断の材料のための登板だ。
ブルージェイズ戦を無事に投げ終えた今、ふだんの中4日と同じルーティーンで異常がなければ、2015年のシーズンに向けて田中にはグリーンライト、青信号が灯る。
考えたくはないが、ここで肘に違和感が出た場合は、トミー・ジョン手術に踏み切る可能性が高い。
その場合、ヤンキースはオフの補強にスクランブル体制となる。シーズン終了後、フリーエージェントになるマックス・シャーザー(タイガース)、ジョン・レスター(アスレチックス)など大物投手との契約に動かざるを得ないからだ。
ヤンキースとしては、田中を先発ローテーションとして計算できるかどうかは、経営的判断として死活問題なのである。
もし、このまま異常がなければ他の強化ポイントに予算を回すことも可能になる。
だからこそ、質の高いピッチングだったからといって、喜んでばかりはいられないのだ。今回に限っては、田中の登板後の経過観察がもっとも重要なのである。
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