未来のWebと、その環境 from Dries Buytaert

世界的に有名なDrupalの創設者であるDries Buytaert氏が、日本に初来日をしました。
来日した理由は色々あると思いますが、貴重な1日を使い、DrupalのイベントをCI&T 社と、Acquia 社が共催し、開催を行いました。

 

今回の記事は、そのイベントでDriesがプレゼンを行った「Future of the Web」についての記事となります。
「Future of the Web」は、海外で行われているDrupalカンファレンスでDriesがKeynoteとしてプレゼンしている世界的にも有名なプレゼンテーションです。(DriesのKeynoteには、3000人ほどの人が集まるそうです)

今回日本で話していただいた内容とはことなりますが、Future of the Webに関する、DriesのKeynoteは下記でも閲覧できます。

 

この記事を読んでいただけると

 

この記事を読んでいただけると、Drupalがなぜ世界で人気なのか、現在のWebには何が足りないか、今後われわれが制作していく上でしなくてはいけないこと、について知ることができます。

 

 

Future of the Web

 

まずは挨拶として、Drupalの歴史について語っています。
14年前に、ベルギーの寮でDrupalを始めた、Dries氏、Drupalを成功させるためには、大企業で使ってもらえるようにすることだと気がついたそうです。

現在では、230の国で、181の言語で、100万人に支えられています。次期バージョンのDrupal8の開発者は2000人以上になります。
そんなDrupalのサイトには毎月200万/UUの方がアクセスします。こんなにつまらないサイトなのに(笑)と言ってました。

そして世界の50分の1のサイトがDrupalで構築されています。

次に、カメラの歴史について語っています。

こちらが世界初のカメラです。写真を撮影するにはとても複雑だった。

そして1885年にKODAKが撮影のステップを省いてくれた。

カメラの世界でも、標準化が起り爆発的に写真の市場が出来き、今日にいたります。
下記は写真を共有するために、以前は8ステップだったのが、2ステップになったことを表した図です。

Webサイトを作るのは現状難しい、だけどこれをカメラのステップのように簡略化してくことができる。
Drupalコミュニティーも、標準化し、Webサイトを構築することを簡単にして、大きくしていきたい。

 

今回のDriesのプレゼンテーションでは、下記の3項について、主に伝えたいと仰っていました。

  • Context
  • Platform
  • OpenSource

 

まずはContextについてです

Contextを説明する上で、まずホワイトハウスの事例に説明を行いました。

ホワイトハウスのサイトは良いサイトです。なぜならアメリカ市民がアメリカの憲法修正条項などで、意見が言いたければ、手紙でも伝えることができるが、サイト(Drupal)上で、嘆願をすることもできる。サイト上からの嘆願は、これまで2万件ほど提出され、処理されおり、すごく活用されている。

そしてそれがコンテキストとなる。Drupalはどんなビジネスでも中枢になっているとのことです。

 

ホワイトハウスの事例の時に、セキュリティーについても言及されています。
ホワイトハウスを狙ったハッキングは、毎日ものすごい量が来ているが、落とされたことは無いとのことです。ホワイトハウスでも使用しているDrupalだからこそ、皆さんも安心して使ってほしいとのことです。

 

さらにDrupalの特徴として、柔軟に、どんな要件にもマッチさせることができます。

たとえば、Webサイトを構築して終わりではありません。顧客情報をCRMに取り込んだり、お客にEmailを送信したり、ECサイトに連動したり、様々なサイトや、システムの連携が必要になります。それをDrupalは、モジュールを組み込むことで可能とします。

良いコンテキストの例として、お客がアクセスしてきているIPアドレスを取得して、その地域が雨だったら、ECサイトでは傘を一番上に表示する。晴れだったら、日傘を表示することで、ユーザーに最高の体験をもたらすことができます。

たとえば、アイスランドエアーでは、Londonまでの航空券を買おうとサイトにアクセスしたときに、現在地の「Bostonから」のオリジナルメニューが表示されます。
このようにユーザーがほしいだろう情報を表示することがとても良いことです。しかし現在のWebサイトでは、ほとんどそのようなサイトが、ほとんど無いとのことです。

近い未来のWebサイトや、今度われわれWeb制作者が取り組まなくてはいけないと思わせる内容でした。

 

続いてPlatformについてです

 

みなさまの会社、もしくは個人で、いくつのWebサイトを持っているでしょうか。
弊社でも、コーポレートサイト、プロダクトサイト、キャンペーンサイト、ブログ、お客様の専用ページなどなど、いくつものサイトを運用しています。

10年前はWebサイトを持っていない、または1つ運用していたのが、現状は10〜20個持っていますし、多い会社だと、1000〜5000サイト持っている会社もあります。

そして、同じ企業内で、複数のサイトでそれぞれのシステムが入っています。例えば、コーポレートサイトにはMovable Type、BlogはWordPress、ECサイトはEC Cubeなど様々です。

様々なプラットフォーム、システム、言語で構成される。すると管理するために、どんどん工数が膨らんでいきます。セキュリティーは?、バージョンは? and more ....

これを続けるうちに組織が賢くなってきて、この多数で管理されたシステムを1つに出来ないだろうか。と考えたそうです。

そして、それを可能にしたのがDrupalです。

Drupalの特徴として、柔軟に開発を行うことができます。

例えば、グループウェア、ブログ、コーポレートサイト、ECサイト、コミュニティーサイトなど様々です。大きいサイトから、小さいサイトまでDrupalで開発することができます。

システムを1つにすることで、これまで運用するためにかかってきた工数を削減することができます。

ファイザー製薬が、4000のサイトをDrupalにしたそうです。これまでかかっていたコストが6割削減でき、さらにWebのローンチが、迅速になったそうです。

今後の未来のWebとして、システムを統一する流れは日本でも起こっていく現象なのでは無いかと感じました。

 

 

さいごに

 

私はDrupalを7年ほど前から使っており、Drupalを愛してやまない1ユーザーです。
Driesが来日することを聞いて、本当に嬉しかったです。

そして少人数制のイベントを開催していただき、しかも記念撮影まで気軽に応じてくれました。本当にありがとうございました。

 

日本ではまだまだ知名度も低いDrupalですが、今後日本の政府機関や、SIerなどが参入してくることで爆発的な広がりをみせるのでは無いかと思っています。DrupalはたんなるCMSという立ち位置では無く、フレームワークだと考えています。

さらに今後の日本でのDrupalマーケットが伸びていくように、コミュティニー活動等に協力したいとDries自身のブログで述べています。
http://buytaert.net/reflections-on-drupal-in-japan

 

Drupalの発展は、Drupalコミュティニーの活動が大きく影響してくると考えています。そのコミュティニー活動を大きく先導しているのが、現在g.d.o Japan(Drupalコミュニティー)や、日本語翻訳チームの皆さんなのではないかと思っています。

Drupalの日本コミュティニーは下記のサイトで活発に活動を行っています。気になるかたは是非チェックしてみてください。
https://groups.drupal.org/japan

 

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