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海外サッカーコラム
最優秀ゴールキーパーを称える「ゴールデングローブ賞」のトロフィーを掲げるノイアー。名実ともに今世界最高のGKと言えるだろう。
photograph by Getty Images
ブンデスリーガ蹴球白書

その存在感はベッケンバウアー級。
ノイアーが示した「リベロGK」の衝撃。

ミムラユウスケ = 文

text by Yusuke Mimura

photograph by Getty Images

『偽の9番』ではなく『偽の5番』というポジション。

 ノイアーはこう語っている。

「もちろん、前に出るのはリスクがあるよ。少しでも遅れてしまえば、相手を倒して、レッドカードをもらうことになってしまう」

 ただ、以前彼はこうも話していた。

「でも、僕はレッドカードをもらったことは一度もないんだよ」

『キッカー』誌は、こう記している。

「ドイツでは『偽の9番』(※いわゆるゼロトップのこと)について、これまで議論してきたが、これから話題になるのは『偽の5番』についてだ」

「偽の5番」というのは、何を意味するのだろうか。『ヴェルト』紙はアルジェリア戦のノイアーについてこう書いている。

「ドイツの4バックのポジショニングは完全に混乱しており、DFラインのコントロールで何度もミスを犯していた。28歳のノイアーはこれまでのキーパーの役割を否定して、大きく進化させた。ドイツにとって彼は強力なキーパーだっただけではなく、屈強な『ディフェンダー』でもあったのだ」

まるでベッケンバウアーのような「5番」の役割。

 ヘベデスの話を聞けば、「5番」の意味はわかるはずだ。

「ノイアーは世界最高のキーパーだ。ゴールライン上での反応は本当に素晴らしい。そして同時に、パス交換に長けた『リベロ』のようでもあり、多くのロングパスでチャンスを作ってくれる」

 そう、「5番」はドイツでリベロのポジションを確立したベッケンバウアーのつけていた背番号なのだ。

 もちろん、ノイアーは前に出ることだけを求められているわけではない。そこで正確に味方にパスをつなぐための足元の技術も必要となる。ノイアーの攻撃での貢献度の高さについては、ドイツ代表のキーパーコーチを務めるケプケが太鼓判を押す。

「彼のところにいつも簡単なボールが来るわけではない。にもかかわらず、彼は攻撃につながるようなパスを出してくれるんだよ」

【次ページ】 パス成功数244本は、メッシよりも多い数字だった。

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