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【スポーツ】

美里 連覇で決めた金1号

2014年9月21日 紙面から

◇仁川アジア大会<第2日> 柔道女子52キロ級

柔道女子52キロ級決勝、トルクメニスタン選手に一本勝ちし、金メダルを獲得した中村美里(左)=仁川・桃源体育館で(佐藤哲紀撮影)

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 【仁川(韓国)占部哲也、青山直樹】仁川アジア大会は20日、第2日の各競技が行われ、柔道女子52キロ級で中村美里(25)=三井住友海上=が2連覇を果たし、今大会の日本選手団で初の金メダルを獲得。同48キロ級の山岸絵美(28)=同=は銀に終わった。男子66キロ級の高上智史(22)=旭化成=は銀、同60キロ級の志々目徹(22)は銅。日本勢のメダル第1号は武術男子長拳・市来崎大祐(27)の銅。シンクロナイズドスイミングはデュエットで乾友紀子(23)=井村シンクロ・三井梨紗子(20)=東京シンクロ=ペアが銀メダルを獲得した。ハンドボール男子は韓国に敗れ、通算30連敗となった。

 金メダル1号は、けがに苦しみ乗り越えた25歳がもたらした。中村美里はわき上がる喜びを畳上で押し殺した。「後から審判の判定が変わることもあるので」。畳の上では笑顔を見せなかったが、表彰台ではほおを緩め、白い歯がこぼれた。

 切れ味鋭い小外刈りだった。1分40秒。大けがで悩まされた左足で刈った。「イッポン!」。3度目の五輪に向けて大きな一歩を踏み出した瞬間だった。苦闘の2年だった。初戦敗退を喫した2012年ロンドン五輪後に古傷の左ひざの前十字じん帯再建手術を選択した。復活への道のりは険しかった。

 復帰後もひざの炎症で水がたまった。13年冬に再手術を決断。再び暗闇に戻ったと思ったが、光が差した。国立スポーツ科学センターでリハビリをする他競技のアスリートと出会った。「みんな頑張ってるって気持ちの面で変われた。強い気持ちが増えた」。この日、日本勢が次々と決勝で敗れ、最後のとりでとなったが「自分の戦いをする」と迷いはなかった。

 19歳で臨んだ08年北京五輪で銅メダルを獲得し、平成生まれの日本人として初のメダリストに。勢いは止まらず、前回の広州アジア大会では頂点に立った。2連覇。しかし、味は少し違う。中村は言う。「手術やいろいろ乗り越えてのメダルなので(今回の方が)重みがある」。苦難の先に開けた道。リオ五輪での金メダルが見えてきた。 (占部哲也)

 

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