第2日の16番でチップインバーディーを奪い、大喜びする福田真未=新南愛知CC美浜コースで(畦地巧輝撮影)
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◇マンシング東海<第2日>
▽20日、愛知県美浜町・新南愛知CC美浜C(6375ヤード、パー72)▽曇り、気温21・3度、風速1・7メートル▽賞金総額8000万円、優勝1440万円▽108選手(うちアマ6人)▽観衆7556人
プロ4年目で、来季のシード入りを確実にしている福田真未(22)=えん=が6連続を含む9バーディー、1ボギーの「64」で回り、通算10アンダーで前日の13位から一気に単独首位に浮上した。1打差の2位にO・サタヤ(タイ)、申ジエ、金ナリ(ともに韓国)、2打差の5位には前日首位の北田瑠衣(32)と成田美寿々(21)=オンワードホールディングス=が続く。好調のパッティングを武器に、福田がツアー初優勝に挑む。
すさまじいバーディーラッシュに、福田はスコア提出所で訳が分からなくなっていた。「自分が後半いくつで回ったのか、ホントに分からなくて。最初は『29』と書いて、いや、そんな訳ないと思って『30』に直して、もう1回数え直して、再度『29』と書き入れました」。自分自身が混乱するほどの快スコアだった。
1番はグリーン奥からの第3打を寄せきれず、ボギー発進。その後は3番、6番でバーディーを奪い、後半のインコースへ。『物語』は11番パー3で7メートルのバーディーパットが沈んだところから始まった。
12番で「まさか」と振り返る15メートルがカップイン。13番では6メートル、14番で4メートル、15番で2・5メートルを決めると、16番パー3ではグリーン奥から20ヤードのアプローチが「カップの右に抜けた、と思ったら、スライスラインが最後にフックして入っちゃった」と、6ホール連続バーディーだ。
17番こそパーに終わったが、最終18番では5メートルを沈め、このハーフだけで7つめのバーディーでフィニッシュ。9ホールの「29」は、諸見里しのぶが2011年スタンレーレディス最終日のアウトコースで記録したツアー最少ストロークの「27」にこそ及ばないが、史上2番目。福嶋晃子や全美貞ら過去13人しか経験していない『ハーフ20台』だ。「ビックリしました。途中から、あれ? 今日すごくパットが入るな〜って思ってたんですけど。昨日は2メートルぐらいのパットが全然入らなくてキャディーさんに『カップを見すぎたよ』って言われて。入れにいくんじゃなく、そこに打とうと心掛けたら…」と、自身の快挙に目を丸くした。
今年4月、15歳の勝みなみが優勝したバンテリンレディスで、最終日を単独首位で迎えていたのが、実は福田だった。だがラウンド序盤で早々に戦線離脱して75をたたき6位に甘んじた。「自分のメンタルの弱さを痛感した。気持ちを強く持たないと優勝なんかできないと思った。私、普段はそうじゃないんですけど、ゴルフだけは控えめみたいなんです」。だが、その後もコツコツと賞金を積み重ね、ついに念願の来季初シード入りも確実に。「シード権獲得を目指して。初優勝も、できれば…」と話していた2つめの自己目標が次のターゲットだ。
人生2度目となる、単独首位で迎えるツアー最終日。「あの時よりは成長してると思うので、それを出せるように、今日みたいに目の前に集中してやりたい」と意気込む。「もともと大好き」というパッティングを最大の武器に、再びバーディーの山を築き上げるつもりだ。 (月橋文美)
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