阿部、“死んだふり作戦”２戦連発１９号！

　◆巨人４―２ヤクルト（２０日・東京ドーム）

　フラフラッと上がった打球は左翼ポール際、最前列に飛び込んだ。２点リードの８回２死。阿部は２ボール１ストライクからの４球目、中沢の外角の直球を強くたたいた。「あの１点は大きかった？　そうだね」と言い、中大の後輩からの一発に「かわいそうだったかな」と笑った。連日のアーチとなる１９号ソロ。９回に１点を返され、なおもピンチが続いただけに、効果的な本塁打となった。

　それまでは散々だった。ヤクルト先発・石山の前に２三振を含む３打数無安打。「全然、打てねえな」と感じていた。だが、１９日の試合で２打席連続三振を喫した後、３打席目で１８号２ラン。その再現のように、４打席目で目覚めの１発。「お決まりになってきた」という“死んだふり作戦”での連弾だ。

　この日はリードでも小山の持ち味でもあるフォークの割合を減らし、直球主体でヤクルト打線を翻弄。頭脳戦でも制した。頼れる主将が攻守でチームを引っ張った。（井上　信太郎）